5.0
重いテーマの作品です
加害者家族を描いた作品です。
両親の犯行を手伝いその鮮明な記憶がありそれがトラウマにもなっている長女、犯行は知っているが手伝わずに済んだ次女、まだ赤ちゃんで両親の記憶すらない末っ子の長男。
3人の子供は息をひそめ目立たずひっそり生きています。両親の罪を考えると幸せになってはいけないと強く思っています。←でもどちらかというとこれは長女の方針。
次女は恋をしたり幸せになりたい…と、ごくごく当たり前のことを願っています。
弟は加害者家族の当事者でありながら、記憶もなく、ただ加害者家族という家庭環境だけを押し付けられ、高校生というまだ自立して自分の人生を歩き出せない年齢。
好きになった相手の幸せを考えればこそ、自分達の置かれた“環境”に巻き込んではいけない、両親の犯行を考えたら幸せになってはいけない…そう考える加害者家族の心境や取り巻く状況がとても繊細に描かれている作品です。
もし自分がその環境の立場の人間だったら、もし身近にそういう立場の人がいる人間だったら、もし遺族側の立場の人間だったら…と深く考えさせられる作品なのでおすすめです。
- 10