5.0
第9話。前作未読でこれだけでも堪能できた
『踊る阿呆と腐れ外道』、気に掛かっていた作品だったんですが、未だ読んでいませんでした。
ただ、今作の試し読みがあまりに耽美で清冽で、この9話だけ……と読んでみました。
結論からいうと、前作未読でも、素晴らしかった。
自分と同じように、迷っている方がいたら、ぜひ読むのをお薦めします!
美しく、哀しく、余韻の残る読後感でした。
冒頭の繊細で耽美的な描写(試し読みの部分)も印象的ですが、事後の遣り取りの描写も必見です。
「好きだよ/僕は君に/何もしてあげられないけど/けど本当に…/君だけなんだ…」
「そうか/それは…/いいことを聞いた」
嗚咽する結城を抱き支える環は、君に出逢えてよかった、と独白します。
穏やかで静かな日々で「君を待っている」……奥深く余韻を感じる結末でした。
実は、この後我慢出来ずに、環編の漆(7)話、捌(8)話も読み、再読すると更に感動と慟哭が深まりました。
機会があったら、ぜひ第壱(1)話から読んでみようと思ってます。
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