5.0
びっくりするほど
こちらの先生の作品ははじめて読みましたが、
ちょっとびっくりするほどよかったです。
未読の方もご覧になっていると思うのであんまり期待のハードルをあげすぎてはいけない…とは思うのですが、個人的には今まで読んだオパール文庫やティアラ文庫たちのなかで一番好きでした。
個人的なことで申し訳ないのですが自分は普段あまり感情移入して読めないタイプなのですが、珍しくヒロインの身になってときめけました。
この絶妙なリアルさ?‥なんだろう‥うまく表現できないんです‥‥。
例えば、バカンス中にヒーローに仕事が入り一旦離れ離れになるシーンがあるんですが、よくある話ならここで何か問題が起こると思うんです、(どちらかが事故にあってみたり、噛ませ犬役キャラにヒロインが迫られたり?)、が、起こらないんですよ。
ヒーローは普通に数日仕事に行ってすぐ帰ってくる。ヒロインの身にも何も起こらない。二人はそのままバカンスを再開する。
他にもまだまだあるんですが、【特に何も起こらない】ことでこんなにリアルさを表現できるんだとびっくりしました。
そういう細かなリアルさを感じながら読んでいくとどんどん話に引き込まれて、感情移入する。
本当に上手な作家さんだと思いました。
感情移入しすぎてフランス修行経験があるような気持ちになっています……ロベールどこ?笑
溺愛系のロベールにアンナちゃんがわりとドライなとこもリアルでした。
1人でフランスまで修行しにいくほどの根性と強さのある女性は簡単に舞い上がったりしないだろうなって。
あ、あと冬の室内の表現が好きでした。
文章にもありましたが、あのシーンは本当に映画みたいで素敵。
素敵なお話をありがとうございました。
これからは作家さん買いをします。
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