3.0
致命的な情報量の無さ
題材はとても良く、伏線の有りそうなストーリーの基礎は物語の厚み期待させるものでした。
この作者さんの作風として、最初のエッチから強引な展開なのですが、随所に主人公への気遣いが感じられ、最後に至るのも会を重ねて概ね彼女の気持ちを確かめてからと、ただのエロシーンではなく愛情の交歓を描きたいのが伝わってくるのが非常に良いです。
問題は折角の設定を破滅させているシーンで、主に料理の取材に来たはずの主人公をいきなり狩猟に同行させる事と、職場(飲食店)でのエッチ…………。
猟師についての情報は致命的に欠けてると言わざるを得なく、ともすれば獣道すらないような猟区にいきなり一般人を連れて行く事は本当にあり得ません。猟期もずれてますね。
お店前の階段で落ちかけた主人公に危ないじゃないかと説教してますが、それより格段に危ない現場に連れ出したお前が言うのか?これ何かの誤翻訳かと思いました。
期待したジビエも、満足するような描写はほぼ無く、主人公がひたすら幸せそうに食べていました。それはそれで良いんですけど……。
あとは職場でのエロシーン。これはシェフ失格と言われても仕方が無いかと。飲食店という衛生観念がより必要とされる場で至すとか、言語道断で流石に引きました。接待系のお店を除けば他のTLでさえ余り見かけない新ジャンルかと……。
上記に加えて、大事な伏線であったはずの2人の過去に起きた事件も結局語られず肩透かしを喰らい残念な気持ちです。
ただ2人の心情のやり取りがとても上手で、女子受けすること間違いないタイプの作家さんなので、より厚みのある物語が見てみたいと思いました。
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