3.0
ここまでか、こんなもんか
主人公の親友がいわゆる悪女で、主人公の好きな男を…という話。
展開はスピーディーでテンポよく読めるが、ちょっと性急に過ぎる気もする。
このあたりは、賛否あるだろう。
悪女の造形も、好みが分かれると思う。
悪女だけどしたたかで魅力的だ、とか、悪女を演じているけれど健気だ(ピンとこない方は中島みゆきの「悪女」という曲を聴いて下さい)、とか、そういう女ではなく、要するに、ただ顔が可愛いだけの嫌な女である。
しかし、その「ただ顔が可愛いだけの嫌な女」に引っかかるのが、男というものなのだ、残念ながら。
「カジノ」という古い映画の中で、シャロン・ストーンがたいそうな悪女を演じており、ロバート・デ・ニーロ演じる主人公が、その虜になる。
私の妻はそれがどうしても理解できないと言っていた。
何であんな女に引っかかるのか、と。
私は、男は阿呆だから、「何であんな女に」という女に引っかかるものなのだ、と解説したが、「あなたもそういう女に引っかかるのか」と妻の機嫌を損ねただけだった。
何が言いたいのかというと、私は、男の愚かさをよく自覚しているつもりだ、ということだ。
だが、その私であっても、この漫画に関しては、さすがに「男はここまで阿呆だろうか」と首をひねった。
いくら何でも、十五のガキじゃあるまいし、悪女のこんなに露骨な策略にはまるだろうか。
うーん。
でもまあ、こんなもんかなあ、男は。
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