5.0
切なくて、もどかしくて、ハマる
この作品は一見うまくいってそうに見える夫婦の問題をリアルに描いている。
私はみちとも新名さん夫婦とも環境は違うのだけど、共感できてしまう。
みちと新名さんは一線を超えそうになったけど、踏みとどまり、お互いの夫婦を続けようとした。
しかし、陽ちゃんは読めば読むほど最低だった。
みちを拒み、三島さんと浮気しただけでなく、共働きなのに家事もせず、子どもも本当は欲しくなかったけど、みちを手放したくなかったからいずれ作ろうとその場しのぎの嘘をついた。
それがわかったときにみちの中で陽ちゃんへの愛情がなくなり、2人は離婚した。
そして新名さんと楓も別れを選ぶ。
楓は大好きな仕事を捨てきれなかった。
編集長になれば今より忙しくなるし、子どもも難しくなる、新名さんが全てを犠牲にして楓を支えないとやっていけなかった。
そして、新名さんはそれができなかった。
2組とも時間は掛かったけど、ちゃんと向き合って別れたのはよかったと思う。
みちと新名さんは独身に戻り再び出会った。
2人は今後、結ばれるかもしれないし、別々の道を歩むのかもしれない。
でもこの作者さんは読者の納得のいく結論を描いてくれるだろうと期待して、最後まで読み進めようと思う。
どんな形であっても最後はみちと新名さんが幸せになってくれることを願わずにはいられない。
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