3.0
愛は人を鬼に変えてしまう
第二話の安達原の鬼婆を読みました。
安達原の伝説をベースに、年若い主人公・楓を上手に使ったストーリーになっています。
元々は善良な心の持ち主が、いかにして鬼の心を持つようになるのか。
悲しく描かれているのが印象的でした。
最後のシーンは、雨月物語の青頭巾と似ています。
戦争という恐ろしいものが人を鬼に変えてしまう理を知って、出家し尼となった主人公。
そして愛執の果てに鬼婆に身を変じた岩手御前は
悲しい宿命の後に白骨となって残ります。
しみじみと良いお話でした。
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