5.0
不妊治療で産まれて
不妊治療中の方や、不妊治療をしようと考えていらっしゃる方々がたくさん読まれているのでレビューを投稿するかどうか迷いました。
でも、私のように不妊治療で産まれてきた人も読んでいるかも知れないので投稿させていただきました。
私は不妊治療(排卵誘発剤を使用した)で産まれて来ました。
早産で双子(二卵性)で帝王切開で産まれました。
母は29歳でしたがそのお産で亡くなりました。
不妊治療が直接の原因だとは断定出来ないかも知れませんが、姉は臓器形成が不完全な状態で産まれたため(私は健康体でした)、ずっとそこまでして産まれて来たくなかったと(産んで欲しくなかったと)思って生きてきました。
姉が幼い頃、何で私だけこんな体に産まれてきたのかと泣いた事がありました。(私だけ健康に産まれて)辛かったです。
姉も、不妊治療で産まれてきたと知って私と同じように思ったようです。
でも、作者さんがお腹の赤ちゃんに手紙を書いているのを読んで母がまだ産まれぬ私たちに宛てた日記を見たことがあるのを思い出しました。
幼い頃に偶然見つけた物でしたが、読みかけた所で父に取り上げられてしまいほとんど読めてはいませんでした。でも、作者さんが赤ちゃんに宛てた手紙と同じように日々心配の言葉や優しい言葉が書かれていたのを十数年ぶりに思い出しました。涙が出ました。
将来、私は子供を産まない事でしょう。しかし、愛しお腹の中で育んで文字通り命懸けで産んでくれた事に感謝して、前向きに生きていこうとこの本を読んで思いました。
今月、母の亡くなった歳と同じ29歳になります。
運命なんて信じていませんが、この本をちょうどこの時に読んだ事がすごく不思議で有り難かったです。
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