現実をなぞるだけ
あの北九州の事件をモチーフにした漫画。
怖いし、残酷だ。
しかし、その怖さも残酷さも、全ては現実世界で起きた実際の事件によるものだ。
そこを出発点にして、この漫画が何かを「作り上げた」のかとなると、正直、疑問符がつく。
「現実に負けている」。
それが、私がこの漫画に対して抱いた率直な感想だった。
もちろん、別に漫画は、現実と「勝負」するものではない。
しかし、現実の悲劇をフィクションがただ「なぞるだけ」に終始するならば、それはフィクションの力を放棄することにしかならないのではないか、と私は思う。
by
roka
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2.0