4.0
その罪が愛ならば
表題作「月光」と「LOVER SOUL」の二本立て。
「よろこびのうた」を読んだ後、本作を読んだ。
「よろこびのうた」では、認知症、老老介護、児童虐待、といった現代の問題が題材だったが、本作では監_禁、殺_人、そして即身仏である。
やはり、ポップな絵柄からは想像しにくい、ヘビーなモチーフを描いている。
共通するテーマは「罪」ではないかと思った。
「よろこびのうた」も「月光」も「LOVER SOUL」も、登場人物たちは皆、罪に手を染める。
それは、現代の日本の法律の中では確かに「罪」なのだけれど、読む人がその罪を簡単に否定できないような世界を、この作者は漫画の中に構築する。
その罪が、優しさであるとき。
その罪が、慈しみであるとき。
その罪が、使命であるとき。
そして、その罪が、愛であるとき。
私たちはそれを、どう感じ、どう受け止めるのか。
そんなことを、ずしりと重く、それでいてポップに、読者に提示するこの作者が私は好きだし、今後どんな作品を届けてくれるのか、とても楽しみである。
- 7