4.0
美しく儚い
大正末期に青春を謳歌した上流階級の幼馴染のお話
長きにわたる両片思いがどうなるのか
なえだかひっそりと息を止めて読んでいた。
ラムネの瓶の口に挟まるビー玉という小道具が
とても良かった。硝子でできているから割ったら簡単に取り出せるけど
中に液体が入っているときは割らずに飲みたいだろうし
男同士というだけでなく家名を残すという責任とか
妾の子でハーフであるということや
先に成熟してしまった賢い子供ゆえに
女性を体験すれば友人への気持ちを忘れられるかもしれないという
切羽詰まった感情などが美しい絵柄と淡々としたコマ運びによって
切々と伝わってきた。
ふたりがどんなふうに戦前戦後を暮らしたか
想像するのも楽しいが
できればふたつみっつ世間が何と言おうがふたりが幸福であろうお話も読みたかった。
- 0