5.0
この作品は、女性としての生きづらさをどのように受け止め、乗り越えていくかを考えさせられる内容でした。舞台は中世ヨーロッパ風のファンタジー世界で、女性の社会的地位が低いことが描かれています。主人公はデザイナーとしての才能を持ちながらも、女性であるがゆえに職に就くことができず、男装して働くしかありませんでした。この状況は、帝国を治める女王でさえも例外ではなく、戦いで勝利し帝国を築いた後も、彼女に求められるのは華やかなドレスを着て婿を迎え、子を産むことだけでした。この物語は、性別による役割や期待に疑問を投げかけ、読み手に深い思索を促すと思います。また、主人公が男装する作品は多々ありますが、実際の問題として、女性には生理があるため、その部分の整合性をどう保つかが疑問に思われることがあります。しかし、この作品はそれを真正面から捉え、作品の中の問題点として解決していく姿勢が、作品のクオリティを高めていると思います。
- 0