4.0
妖怪への執着
罪人が妖怪に見えてしまう、という特殊能力を持つ主人公が、奇怪な相談所の助手として働くことになる、という話。
私は幼少期より重度の妖怪オタクなので、はっきり言って妖怪を扱った漫画には厳しい。
そういうわけで、いきなりオタッキーで偏屈なことを言って申し訳ないが、妖怪という存在には本質的に「善悪」はないと思うので、「罪人」という人間サイドの勝手な物差しが妖怪という姿に具現化される、という設定には根本のところで違和感があった。
おそらく京極夏彦の影響はあるのだろうが、はっきり言ってレベルが違う。
ただ、妖怪に対する執着、何としてもそれを描くのだ、という熱意みたいなものは明確に伝わったし、方向性やスタンスは違えど、本作に妖怪に対する愛情があると認めることについては、やぶさかでない。
- 6