焦がれて焦がして へのレビュー

大人の幼なじみ同士の、ピュアな恋。
ネタバレありのレビューです。表示する
初めて読んだ作者さん(noji先生)でしたが、その絵の虜になりました!
表紙を始め、悠治のカフェバー「prele」の店内、料理の数々、背景、小物に至るまで…丁寧に繊細に描かれた世界は、それだけで癒しになりました。
キャラの絵は、好みがあると思いますが、自分は優しく柔らかい絵で、温和な悠治(表紙右。攻め)や、おおらかに受け止める総一(表紙左。受け)によく合ってると思います。
1~12話「焦がれて焦がして」表題作
北海道の田舎で、隣同士で幼なじみだった悠治と総一は、総一の大学進学と、悠治の総一への報われぬ恋心を切っ掛けに、距離が広がり。
しかし、札幌でカフェバーの店長になった悠治は、偶然再会した会社員の総一が疲れ弱り切っているので心配になり、毎日食事を食べに来させると…。
※以下、ネタばれです。ご注意ください。
「prele」店内→厨房→悠治の部屋、と侵入し、そのまま泊まって朝昼の弁当も持参して…と、どんどん寄生していく総一(笑)。
この侵入っぷりはツボでした!
実は元々、悠治の好意を感じていて、満更でもなかった総一は、悠治の「ずっと一緒にいて欲しいです」の告白に「わかった。いいよ」と即答。
しかもずっと長く付き合うために、生活費や食費の分担をきちんと決めようとか、自分で馴らしを頑張ったりとか。
すごく前向きで積極的な総一。
総一は子どもの頃の関係のまま、おおらかに悠治を受け止め、兄貴分っぽく悠治を可愛がり甘やかします。
甘やかすことで矜持を保ってる、という台詞が最後にありますが、甘やかすことで甘えてる、って感じでしょうか。
なので、展開早っー!と思いましたが、安心して読めました。
悠治はぐるぐると考え込んだりしますが、温かく優しいストーリーで、最後まで明るい雰囲気でした。
「prele」のバーテンダーの鷺さんや、バイトの亀沼くんが、素敵なキャラで。総一の部下の猫原も面白い。
出来すぎの話じゃん、と思う方もあるかもですが、夢と優しさがあって、自分は好きでした。
15話後半に、後日譚がありますよ!エロは少なめです。
13~15話前半「ある日森の中で」
北海道の森のある田舎の村で、引っ込み思案の高校生と、菌の研究をしている青年の恋。
こちらも可愛く優しい恋でした。