spica*pさんの投稿一覧

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作品レビュー
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1 - 10件目/全30件

  1. 評価:4.000 4.0

    新しい恐怖

    普通に、と言うと失礼かもしれませんが、本当に普通に楽しんで読めました。
    他人の家の鍵を勝手にコピーしてさりげなく戻し、家主の外出時間を把握して、その留守中に侵入。
    我が家の様に利用する「ヒル」という存在。
    その発想が自分にはまったくないものだったので、私って善良wと思ったりしました。
    リアルにヒルがいたら、めちゃめちゃ怖いし腹立たしいし、きっと恥ずかしさまで生まれてしまうし、これって何の罰ゲームやねんって感じですよね。

    新しい恐怖だと思います。

    まぁ、そんなに都合良く複数の鍵が手に入るわけないやんとか、シャワー浴びた後の水滴とかどうすんのいちいち拭くのとか、細かいツッコミどころはあるんですが、全体的にスリリングで面白かったです。

    ハコは普通の女の子だけど、ほどよくお人好しでほどよく自分勝手でほどよく悲劇のヒロイン思考で、なんかヒルになりそうだなと思わせられてしまう人物像です。
    彼女には、個人的に特に大きな魅力が感じられなかった事が少し残念なんですが、そのちょっと残念な子が徐々に変化していく様がこの作品のテーマなので、彼女が主人公なのは正解なんだと思います。
    対照的にカラはなんだかとても魅力的です。
    なぜか男の色気が半端ないです。
    悪い事してるのにかっこいいとかダメです。
    人間、あんなに変わってしまうものかなぁという疑問はありますが…。

    ラストは、なんかレビューでご立腹なほど気に入らない!って方が多くてびっくりしたんですが、ヒルという存在のイメージそのものな雰囲気で私は好きでした。
    行間を楽しむとか、余白を楽しむとか、そんな感覚で読むといいかもしれません。

    • 0
  2. 評価:4.000 4.0

    リアル風早くんを観て

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    ずっと気になってはいたけど、長編過ぎて手を出す勇気がなくて買い控えていたこの作品。
    よし!読んでしまえ!と決意したきっかけは、1年前に急逝された俳優の三浦春馬さんの存在でした。
    特別ファンでも何でもなかったのですが、彼を目にする度に、なんてすごい好青年なんだ!と常々思っていました。
    あんなにステキな人があの様な亡くなり方をされた事が信じられず、とてもショックでした。
    ファンでもないのに、何故か今でも立ち直れない自分がいたりします。
    亡くなられてから彼の軌跡を辿ったりする様になり、この作品の実写化映画を観て、彼が演じた風早くんがとても好評価だった事を知りました。
    リアル風早くんだと。
    なるほど、確かに漫画の中の風早くんも三浦春馬さんも、えっ本当に?嘘でしょ?というくらいの爽やかな好青年っぷりはとても酷似していると思います。
    映画を観る前に、三浦春馬さんの人となりを知る前にこの作品を読んでいたら、いかにも恋愛漫画のTHE·ヒーローな風早くんを、私はどこか冷めた目線で見ていたかもしれません。
    でもそういう人がリアルに存在しました。
    なので胡散臭いくらい爽やかで好青年な風早くんはとてもリアルなヒーローです(キッパリ)。

    ヒロイン爽子がリングの貞子みたいだと周囲に怖れられているという初期の設定も結構好きです。
    そんな爽子がどうにも気になってしかたがない風早くん。
    なぜなら彼は彼女の、とても可愛らしくていい笑顔を知っているから。
    風早くんの優しさに触れる事で、爽子は少しずつ他の人達の優しさにも触れていく事になります。
    この作品は悪人がいなくて、優しい気持ちになれるのが良いところでしょうか。
    みんないい子ばかりです。

    ただ私が☆をひとつ減らした理由は、長期連載漫画にありがちな、引っ張れるだけ引っ張ったれ!という編集部の思惑です。
    これが自分はどうしても好きになれなくて飽きてしまいます。
    個人的な好みではあるんですが…。

    あっ、個人的な好みといえばもうひとつ。
    登場人物の中では龍が好きです。
    自分の高校時代の彼氏も野球部のキャッチャーで4番でした。
    私はチアリーダーでしたが心の中では彼氏の応援ばかりしていましたw
    龍があの頃の気持ちと想い出を、久しぶりに鮮明に思い出させてくれて懐かしかったです。

    最後にどうでもいい情報ですみません。

    • 0
  3. 評価:4.000 4.0

    コロナ禍の中で読むと

    もう何年も前に描かれた漫画ですが、現在の状況下で読むとやはり、感じるリアルさが違うなと思いました。
    個人的な幸不幸はともかく、戦争も世界恐慌もスペイン風邪もエボラ出血熱も、何も経験せずに生きてこられた自分の年代は、何と平穏だった事かと実感します。
    SARSだって、ほぼ他人事でしたし(反省)。

    この作品の中の恐怖や脅威は、ウイルスのそれだけではなく、いくつものポイントがあって、想像力を掻き立てられます。
    想像が膨らめば膨らむほど、ゾッとするし頭の中もパンデミック状態になります。
    ただ、この約1年でコロナウイルスにより変貌してきた世の中を感じていなければ、その想像力はもっと乏しかっただろうなと思いました。
    何かしらに対する感情や評価はタイミング次第で本当に大きく変わるんだと、改めて考えさせられました。

    主人公だと思われる医師は、ストーリーの流れ上、そんな役回りになったのかもしれませんが頼りないし傍観者の様でありますが、作品を監修された方は視野が広く予見能力の高い、素晴らしい医師で研究者だと思います。
    こんな方が現在の様な世界をいつも救って下さっているのでしょう。

    • 0
  4. 評価:4.000 4.0

    正解かどうかなんて

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    とても重いテーマを描いている作品。
    しかもそのテーマはひとつではなくいくつもが盛り込まれていて、どんな人でもその様々な立ち位置で、感情移入出来る作品になっているのではないかと思います。

    私自身は生まれも育ちもどちらかというと都会的な地域ですが、認知症の祖母と2年ほどだけ田舎暮らしした経験があります。
    その経験を思い返してみると、この作品で描かれているあらゆる場面が決して単なるフィクションではないと感じます。
    その土地独自の空気、暗黙のルール、密な距離感。
    こう書くとネガティブに響きますが、その土地の人々からすれば、ごく自然にやっているし当然だとされている事が多々ありました。
    「良かれと思って」←魔法の言葉。
    そんな独特の雰囲気を思い出しました。
    でも作中の老夫婦にとって、そのすべてが救い以外の何物でもなかったんですよね。
    ちょっと乱暴に聞こえてしまうかもしれませんが、老夫婦や地域の皆さんがした選択、そしてその結果が正解かどうかなんて、正直どうでもいいとさえ思えてしまった自分がいます。
    それは作中の登場人物の皆が、その事実を受け入れ、最終的に納得しているから。
    社会的にとか倫理的にとか、そんなレベルの話ではないものが通るこの世界観は本当の意味での優しさと愛なんだと思います。

    この世できっと、一番苦しむであろう死に方を選んだ老夫婦は、それがせめてもの贖罪だと決意したのでしょう。

    • 2
  5. 評価:4.000 4.0

    来年も舞台化

    永遠を彷徨う吸血のバンパネラという一族の、二百年もの物語りが描かれている、実に幻想的で美しい作品です。
    こんなに洗練された漫画が、約50年も前に存在していたのはすごいと思います。

    一昨年、宝塚歌劇団で舞台化され、明日海りおさん演じるエドガーが本当に美しくて魅了され、原作に興味を持ちました。
    明日海さんは去年、宝塚を退団され芸能界入りされましたが、来年またエドガー役で舞台に立つ様です。

    この作品は、雰囲気はファンタジーの世界観そのものなのに、登場人物の存在感は妙にリアルで、その対比とバランスがすごいところです。
    序盤はテンポが独特で掴みづらく、多少の入り込みにくさがありました。
    舞台のポーの一族で、ストーリーの概要をわかっていたので大丈夫でしたが、そうでなければ早々に挫折して読めなかったかもしれません。
    それでも、バンパネラの放つオーラや不穏さ、エドガーとアラン、メリーベルのもの哀しさには惹き込まれました。
    バンパネラは、この作家さんが吸血ものの洋書を読まれた際に(おそらく)バンパイアのスペルを読み誤って生まれた言葉だそうですが、何だかいい響きです。

    豆知識ですが、作家さんの「望都」というお名前は本名だそうです。
    生まれながらにもうお洒落。
    ご両親にセンスがあると、やはりセンスのある方になるものですね。
    言葉のチョイス、絵柄、色々なものが日本人離れしているなぁと思います。
    お若い頃から、様々な文学をこよなく愛されてるらしいので、エドガー・アラン・ポーにちなんだ名付けも納得です。

    • 4
  6. 評価:4.000 4.0

    焦点は能力の高さ

    この作品を読むまで私はこの斎さんという方を知りませんでしたが、こんなにすごい能力者が存在するのかと驚きました。
    残念ながら2年ほど前に癌でお亡くなりになった様ですが。

    表紙にある「怨念旅館」はほんの一例。
    あらゆる相談者のあらゆる霊関連のお悩みを、並外れた能力であっという間に解決に導いていきます。
    本当にあっという間。
    あっという間に原因を見抜いてあっという間に除霊します。
    タイトル通り、ほぼ強制的です。
    この作品を楽しめるかどうかは、その能力をどれだけ信じられるかに掛かっていると思いますが、この斎さんという方の言は、理に叶っていて説得力はあります。
    焦点は霊ではなく、あくまでも彼女の能力やお人柄の方にある作品です。
    作画が綺麗なので、そんなに恐ろしい描写でもなく斎さんの能力に注目して読む事が出来ます。
    それにしても、こんなにすごい能力を持つ方って、なぜ存在するんでしょう。
    そんな事も考えてしまいました。

    様々なお悩みパターンがありますが、私はお稲荷様が苦しんで号泣するお話がかわいそうで涙ぐんでしまいました。

    • 3
  7. 評価:4.000 4.0

    スッキリサッパリ

    職場または恋人の、理不尽とかモヤモヤをスカッと成敗するという某番組の様な系統のお話短編集でした。

    この作家さんの描くヒロインは、とにかくサバサバしてます、いつも。
    ちょっと微妙に下品ですけど…。
    1話目のヒロインが腹黒いというお声がものすごくて、ちょっと笑ってしまいましたが、本当に腹黒い人は種明かしはしないでしょうね。

    どれも基本は明るい雰囲気ですが、3話目のヒロインの号泣シーンはすごく胸が痛くなりました。
    私は本当に幸せな事に浮気をされてどーのこーのなった経験がないけれど、想像するだけで辛かったです。
    毎日みんな、真剣な顔や笑顔で頑張ってるけど、実は見えないところでいっぱい泣いてたりもするんですよね。
    でもヒロインが辛い時、偶然でもその瞬間その場にいてくれて、ずっと心配してくれる人がいて本当に良かったと思いました。
    漫画なんですけどねw
    めでたしめでたし。

    • 0
  8. 評価:4.000 4.0

    キレイでゾクゾク

    表紙とタイトルだけでは、あんまり期待はしないでおこうと思ってましたが、実際に読んでみると、絵もとてもキレイで可愛いし、読みやすかったです。
    いい裏切られ方でした。

    4つの短編に分かれていますが、どのお話もなかなかオリジナリティがあるし迫力もありました。
    狂気を含んだ表情の描き方が特に良く表現されていて、下手ウマな絵のホラーも好きだけど、上手に越した事はないなと、思ってみたり。

    ゾクゾクして楽しかったです。

    • 0
  9. 評価:4.000 4.0

    サイダーはポジティブ

    CM漫画にレビューするのもいかがなものかと思いますが、結構好きですw
    絵がとてもキレイな作家さんですよね。

    1話目は、仕事を辞めるのを踏み止どまる女性が更に跳躍する兆し。
    2話目は、女子が潔く部活を辞める決意をするけど爽やか。
    どちらも同僚男性、先輩男子の言葉に救われているという、ほんのり恋のテイストがあります。

    どの道を行こうと、それは途で、また未知でもあるという感じでしょうか。
    前向きでさえあれば、大丈夫という趣旨でポジティブさがサイダーとの相性良しですよねー。
    確かにちょっとネガティブな時にサイダーはチョイスしませんわ。

    • 1
  10. 評価:4.000 4.0

    歴代の猫さん達

    コミックス持ってます。
    ファンなら知らない人はいないくらい、猫が大好きないくえみ先生の、歴代猫さん達を描いた漫画です。
    「そろえてちょうだい?」のレビューにも書いたのですが、いくえみ先生はコミックスの余白や巻末に、よくご自宅の猫さんの事を描かれてました。
    この漫画は、それをより詳しくした内容になっていて、出会いと別れを読めます。
    過去のお話なのでホロリとしてしまう場面も何度かあったり、ペット飼いの常識や事情が古かったりしますが、基本は微笑ましいエピソードが満載です。
    しかもいくえみ先生のお人柄やご家族の事まで覗い知れる、何だかお得な漫画でもあったりします。
    現在の事は「そろえてちょうだい?」の方がもちろんわかりやすいですが。

    私も複数の猫達と暮らしていて、毎日の様にそれぞれの猫の可愛さに癒され、個性に驚かされたりしていますが、漫画の中のどの猫さんも本当に可愛いし、個性があって笑わせてくれます。
    猫好きの方なら読んで損はないかと思います。

    余談ではありますが、猫漫画が配信されたので、犬漫画も配信されたら嬉しいです。
    「いくえみさんちの白い犬」だったかな?
    読めば、猫も犬も好きで、優しくて楽しい方だという事がよくわかります。

    • 4
全ての内容:★★★★☆ 1 - 10件目/全30件

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