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21 - 25件目/全25件

  1. 評価:5.000 5.0

    人生初の感情

    私の相当古い記憶を辿ってみて、思うに多分、これがあらゆる感情を抱かせてくれた初めての漫画です。
    何歳だったかは覚えてませんが、かなり幼かった頃なのは間違いありません。

    少年が友人数名と登山だかハイキングだかに出掛け、大地震に遭い、1人だけ生存し、過酷なサバイバルが始まります。
    今も昔も、私にはこの状況を生き抜く事は不可能だと想像します。
    でも彼は本能のままに、生き抜く術を身につけていきます。

    彼の孤独や絶望は図りしれません。
    懸命に日々を暮らし、何度も命の危機を乗り越え、絶望と希望の繰り返しが果てしなく続く人生。
    私は彼のサバイバルにドキドキハラハラし、恐怖し、喜んだり悲しんだりと無我夢中でした。
    今ふり返ってみても、この漫画には人間の持つすべての感情が詰まっていて、ましてや本能で生き抜いていく話なので、魂のレベルで揺さぶられたんだと思います。

    家族にも生き残っていて欲しいという希望を胸に、他の生存者と出会い、また様々な別れも経験します。
    彼の希望は叶うのか、そのラストも個人的には良かったです。

    とにかく泣きに泣いた、という点では一番の漫画です。
    ここで知りましたが、このサバイバルが現代に合わせてリバイバルされてる様ですね。
    原作はまま、作画は別の方で。
    そちらもいつか読んでみたいと思います。

    • 4
  2. 評価:5.000 5.0

    背筋が伸びる

    侍魂、武士道精神を敬愛して止まないフランス人女子高生が日本社会のマナーを斬るという、なんともお茶目なキャラ設定が微笑ましい。
    一見、こんな子おれへんやろと思ってしまうけど、いや、いなくもないかもとも思う絶妙さもあります。

    実際にこんな綺麗なフランス人に自分の言動を指摘されたら、そのビジュアルと想定外の侍口調とに圧倒され、ポカンとするでしょう。
    そして圧倒されつつ、言われた内容が数秒かけて心の内にじわじわと浸透するんだろうなと想像出来て、このキャラ設定だからこそ成り立つストーリーなのだと納得しました。
    普通の人に普通に注意されると逆ギレするパターンもあるだろうけど、こんな想定外の異文化の外国人に注意されたら、恥ずかしさが増して萎縮してしまうのが、大抵の日本人の特徴だと思うので。
    そういう私達日本人の情けない性質を上手く利用してますよね。

    「武士の情け」も忘れない優しさもツボ。
    前世は日本侍ですね。
    間違いない。
    1話で2編読めるショートショート。
    背筋をピシッと正せる清涼剤の様です。

    • 3
  3. 評価:5.000 5.0

    猫だったらどうだろう

    この漫画は、凄い。
    ここ最近、これほどまでに配信を待ちわびてしまう作品には、お目にかかれていませんでした。

    誰ひとりとして絶対に避けて通る事など不可能なテーマ、死。
    小説、映画、ドキュメント、あらゆる媒体で常にスポットを当てられ続け、そこに終わりがくる事はないでしょう。
    そんな中、色々な捉え方、考えの在り方、数々の死生観を目にしてきましたが、その発想はなかった!
    もうきっと、皆さんもそうだと思いますが、まずタイトルに痺れました。
    このタイトルに惹かれて試し読みをされた方はとても多いと思います。

    最初は絵が苦手でした。
    でも読者を少しずつ少しずつ引き込んでいく様な、作品の世界観に魅了され、今ではこの絵でなくては有り得ないとまで思わされる、作家さんの力量を感じました。
    ちょっと中毒性すらあるというか。

    次はどんなエピソードなのか、どんなラストを迎えるのか、というのも当然気になりますが、勝手な妄想も広がります。

    もし、もしも、この春に逝ってしまった愛猫が何かの間違いで死役所に紛れ込んだら、職員の皆さんはどう対処してくれるだろう…とか。
    ちょっと見てみたい。
    いかにもなお役所仕事だったりして。
    でも、愛猫が望めば、私が逝くまで死役所のマスコット的な職に就かせて、待たせてはくれないでしょうか。
    いや、自分勝手な希望だな。

    • 1
  4. 評価:5.000 5.0

    ファンタジーとリアル

    マメタロウ・雑種(コンプレックス)。
    まぁよく喋る犬です。
    人間には聞こえていませんが。
    純粋にかわいい。
    犬は雑種が一番かわいいと個人的には思っています。

    飼い主・郁が大好きで、郁の喜怒哀楽すべてに一生懸命つき合い、寄り添う姿がとても健気な犬らしい犬です。
    そして郁の紆余曲折にも振り回されたり自分で自分を振り回したり、とても過重労働な忙しい犬です。

    ほのぼのしたい時、しみじみ泣きたい時におすすめかと思います。
    ファンタジーな設定なのに、リアルであるべき一線を越えていないので、動物の擬人化が苦手な方にも受け入れやすいかもしれません。
    絵は最初、下手で(失礼)不安定ですが、ぐんぐん上達なさいます。

    • 0
  5. 評価:5.000 5.0

    儚く美しい「光」達

    「少女」でも「女性」でもない頃、そんな瞬間を刹那に描かれている良作品。
    過ぎてみれば本当に一瞬で、あの頃は良かった…などと振り返ったりするけど、その真っ只中にいる間は悩み苦しむ女の子がほとんどだろうと思います。
    そんな女の子達をとても良く捉えていて、引き込まれました。

    冒頭から中間くらいまでは、登場人物それぞれの闇が深そうで心をザワザワさせられますが、その後一気に展開して、タイトルの意味がしみじみきます。
    「閃光」でも「閃光少女」でもなく、カタカナで「センコウガール」なのが作中の重い部分を爽やかにしてくれていて、バランスがいいですね。

    民子がとにかくキレイで眩しい。
    キラキラして瑞々しくて、なのに儚げで。
    ずっとそう感じながら読み進めてたら、このラスト。
    ああ、だからこんなにも美しく儚く、作中に存在していたのかと、胸が痛くなりました。

    そしてそれまで、たいして魅力的ではなかった他の登場人物達も、民子と関わる事で次第にキラキラと閃光を放ち出す、作家さんのその表現力を素晴らしいと思いました。

    父の法要の度に説法をいただくのですが、故人を度々思い出し、話題にするのが大切なのだと。
    この女の子達もそうであって欲しいです。
    亡くなった彼女達の輝いてた姿を思い出しながら、ずっとキラキラしていて欲しいです。

    • 1
全ての内容:★★★★★ 21 - 25件目/全25件

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