3.0
「この国では子どもを連れ去るのは犯罪にならないけど、連れ戻すのは犯罪になる」。これ、この作品の重要なポイントです。世界標準ではもちろん、片方の親が配偶者の同意無しに子どもを連れ去るのは犯罪です。そして、日本でも後れ馳せながら、ハーグ条約が発効した2014年度からは、この母親の行為は犯罪となりました。この作品がいつ描かれたものかは不明ですが、仮に最新作だとしても、10年前ならギリギリ罪に問われることはありません。が、しかし、世界的な常識で考えるのなら母親の行為は大犯罪です。それを踏まえた上でこの作品は考えたいですね。
もちろん、旦那にも落ち度はあったでしょう(作中ではあまりちゃんと触れられていませんが)。でも、主人公は娘思いのいい父親で、娘も父親のことは大好きだったことは間違いなく、鈴木さんの直感も間違ってません。主人公から洗脳など刺々しい言葉が漏れ出てしまう理由は後ほど明かされますが、それも元妻(と元妻側の弁護人)の責によるところが大きいでしょうね。裁判沙汰になると勝つためなら何でもやってしまいますから、取り返しのつかない泥仕合になるものです
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