4.0
現実とバーチャルのギリギリ
色んな感想がありますが、登場人物の一人ひとりは、現実でも「普通」にいる人たち。だからこそ、とてつもなく怖く感じます。
お母さんも元々は異常な行動する人ではなく、感受性がとても豊かな普通の女性だったはずです。
そして、お父さんはどこか抜けてて想いを上手く表すのが苦手な男性だから、いつも言葉足らず。
叔母さんは思ったことはズバズバ言ってしまう少し豪快で、実は人情味ある優しい女性。叔父さんはそんな叔母さんをしっかり見守れる逞しい男性。
誰でも心の闇は多かれ少なかれある中で、普通であったはずの主人公のお母さんが後戻りできない極限に達した所から、物語はスタートして異常さを醸し出してます。
主人公が赤ちゃんの時に、糸が切れてしまったんでしょうか。。すごく心が痛みます。主人公にとって、たった1人の母親が、世界でたった一つの家族が、戻ることない一度きりの少年時代の思い出が、なぜこうなってしまったのかと思うと悲しくて、、ふとしたことでどこでも起こってしまいそうな現実と漫画ならではのバーチャルのギリギリを表現している作品です。
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