5.0
ありかもしれない死役所
かなり前から読み始めましたが、きっかけは、やはりタイトルからでした。
死役所というのは、対応の悪い、いわゆる「お役所仕事」的な役所を揶揄した表題であり、その職員や仕事にまつわる内容だと思っていました。しかし実際は本当の意味で、「死」役所のお仕事であり、それが斬新であっという間に作品に引き込まれました。死役所を訪れる平凡な「市民」の悲しみ、やるせなさ、時には恨みだったり、何とも深い愛情が描かれ、共感できる感情に揺さぶられるシーンが多々あります。
まだ全貌はわかりませんが、総合案内人のシムラ氏が謎めいていて魅力的です。彼は一見、人当たりがよくて親切で温厚ですが、時折変貌する表情には、全く別の強い信念、怨念めいたものが溢れており、怖いです!でも、シムラさん、私は好きですね。今後の展開が楽しめそうです。
ありかも、ではなくて、あってほしいですね。死役所。
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