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1 - 2件目/全2件

  1. 評価:5.000 5.0

    グロが大丈夫なら読むべき一作

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    『食人』で真っ先に想像したのが、映画『グリーン・インフェルノ』の食人族のような、村にやってきた外部の人々を原住民が『食料』と見なし次々と捕食する...といったものだったが、そんな単純なものとは全く別のベクトルの世界感だった。めちゃくちゃ深い。

    これはもはや文明と文明の衝突。戦争。
    後藤家からすれば、後藤家以外の人間は文化伝統を壊しにくる『侵略者』でしかないのだ。
    私達のいう『一般的な常識』からは考えもつかない独自の文化や伝統をこの後藤家は代々、そしてこの瞬間も『守っている』のである。
    それもまた後藤家からすれば一般的であり常識。
    (どうやら銃を持つのも常識っぽいです笑)

    見方を変えればどちらも正しい。
    決してわかり合えない者同士だから敵対する。
    それは個人間においても起こりうる事ではある。

    ただ、この集団における閉鎖的な概念はまた(作者の意図と違っていたら申し訳ないですが)今の新興宗教にも通づるところがあるな、と。

    確かに信仰や信念を持つことはもちろん自由であると共に、他に阻害される事も良しとしない事も確立されている。ただ反面、信仰を絶対的なものと位置づけ、大多数の意見を確実な正義とし、考えることを止めたら、疑うことを止めたら、それはもはや人としての境地をも超えてしまうのだな、と。

    確かに始めは異を唱えるその余地すら与えられないスピード感もあるが、話が進むにつれ加速する緊迫感や異常な空気感は、疑念を持ち行動する者、飲まれるまま従う者、疑う事を知りすらしない者、様々な人物描写が絡み合うことで完成されている。
    少ししか出てこない人物でさえ欠かせない。
    全ての登場人物に意味がある、緻密に構成された作品だと思う。

    • 4
  2. 評価:5.000 5.0

    親子関係の現代社会の闇

    涼太のサイコパスっぷりに引き戻されがちだけど、それぞれタイプが違う母親の毒や愛情も巧みに描かれている。
    過干渉による子供の人格崩壊、『叱らない育児』を履き違えた『放任』による非常識の量産、反面、躾にさえも虐待防止法に絡めた過剰な批判が起こる今の時代に、『子供への愛情表現とは何か?』を提起していると思う。
    基本、母子に焦点を当てた内容だけど、広い視野で見ると、主人公が愛憎を向ける対象は友人やその家族、はたまたその周りにまで。『対象』はどこまでも拡がる。
    昨今の現実の事件でも、加害者の生い立ちや性格には触れることがあるものの、元よりの『性質』に触れられることは少ない。
    サイコパスは「いかに自分の理想を実現させるか」に固執する傾向があると思うけど、その為なら人を欺くことも容易い。目標達成の為ならどんな偽りも演じきる。自分以外の人間を思うままに操りたい、邪魔者は排除。独占欲の塊。加え、そんな恐ろしい思考だろうと、事が起きても「子供だから」で片付けられてしまう今の法整備。
    子供に持たれる『真面目』『大人しい』『しっかりしている』の印象は、本質を見ようとしない大人が都合よく作り出した理想像の押し付けなのかもしれない。

    • 2
全ての内容:全ての評価 1 - 2件目/全2件

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