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作品レビュー
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131 - 140件目/全144件

  1. 評価:4.000 4.0

    どうかと思うけど

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    「闇金ウシジマくん」本編ではウシジマくんの宿敵と言うべきポジションにいた、滑皮を主人公に据えたスピンオフ作品。
    ラーメンが題材にはなっているけれど、本格的なグルメ漫画というわけではなく、あくまで滑皮のキャラを逆手にとった裏社会コメディみたいなのが基本線で、ラーメンはそれこそ軽い「味つけ」という位置づけ。
    まあ、それはいいのだが。

    ちょっとどうかと思うのは、本作において付与された滑皮というキャラのイメージである。
    というのも、私は「ウシジマくん」本編で、滑皮という人間が嫌いだった。
    理由は単純で、ウシジマくんにひどいことをするからである。
    あの漫画は、主人公のウシジマくん自身が決して「善人」ではないわけで、どこに「悪役」をもってくるのか、というのは難しい問題だったはずだが、それをいとも容易くクリアして見せた滑皮という男は、まさに出色の悪役であった。
    それが、どうだろう。
    このスピンオフで、ちょっと好感度が上がってしまうような気がする。
    感じ方に個人差はあるにせよ、滑皮という男のキャラの変貌ぶりは、いかがなものか、と。

    ただ、そのような難点はあるものの、スピンオフとして原作ファンに嬉しいサービスもあった。
    それは、本編で登場した(往々にして悲惨な末路を辿った)キャラたちの「その後」が描かれている点である。
    暴走族の愛沢、情報商材詐欺師の天生、オサレエンペラーのG10(お前生きてたんかい!)など、原作ファンがニヤリとする出演の数々、こういうのがスピンオフの醍醐味だろう。
    特に風俗嬢の瑞樹の登場は、本編では「ちょっと気の毒すぎないか」と思っていただけに、何だかほっとした。
    天生ハイパーメソッドで一山当ててラーメン屋で成功した愛沢が、店に来た滑皮にラーメンのアピールとか、もう面白すぎる。

    というわけで、根本のところでは難点もありつつ、脇の部分ではなかなか楽しいスピンオフであった。

    • 1
  2. 評価:4.000 4.0

    あの子もこの子も

    いわゆる「スクールカースト」をテーマにした群像劇。
    女子高の人間模様が、それぞれの生徒の立場から描かれる。

    オムニバスで、テンポよく読んでいける。
    形式としては、好きな部類である。
    私は男子高だったから、これが現実の女子高の姿にどれほど近いのかは全くわからない。
    それに関する意見は、女性の皆さんに任せる。
    ただ、さもありなん、とは思ったし、個々の登場人物の描き分けは、それぞれに個性があって、パリッとキャラが立っていた。
    どのキャラクターの視線にも、光があり、影があった。
    群像劇として、単純に、よく出来ていると思って感心した。

    スクールカースト、という概念は厳然とあるとしても、その上位がハッピーで、下位が惨めだ、というほど、学校という社会は、というか、生きてゆくということは、単純ではない。
    私の好きな小説の中に、「何かを持っている人間はいつそれを失うかと怯えているし、何も持たない人間は一生何も持てないままなんじゃないかと怯えている、みんな同じさ」という意味のくだりがる。
    スクールカーストの最上位で肩で風を切って歩いているあの子も、何とか彼女にしがみついて生き抜こうとしているあの子も、下位でひっそりとうつむいているあの子も、実のところ、皆それぞれの痛みを抱えて生きている。
    どこに属してどう生きたところで、イージーモードの人生というのは、多分、ないのだろう。
    本作のスタンスというのは、そういった全てを、大人の興味本位の目線から笑うのではなく、少しずつでも彼女たちに寄り添おうとしたものであるように思えて、私は嫌いではなかった。

    • 1
  3. 評価:4.000 4.0

    ポップなグロテスク

    よくもまあ、ここまで色々と気持ちの悪いものを描けるな、と感心する。
    グロテスクでありながら、実は表現としては結構ポップであって、上手くツボを押さえている。
    細かい描き込みの丁寧さと画力の高さが、それを支えている。

    食糧にされる人間の描写も、悪趣味でグロテスクではあるが、例えばフォアグラをとられるガチョウとか、繁殖を強いられるペットとかのわかりやすいメタファーになっていて、そういう意味では、ちょっと社会派の側面もある。
    相手が人間ではない、というだけで、我々は結構エグいことをやっている。
    それも、生きるために、ではなく、快楽のために。
    そして、その事実を知っても、私は今夜も美味しくフォアグラを食べる。
    そういうのが、人間の残酷なところなのだろう。
    まあ、今日の夕食はラーメンだけど。

    ただ、決してメッセージ性の強い、悪く言えば説教臭い作品ではなく、本線はあくまでスリリングな脱出劇である。

    矢継ぎ早に繰り出される恐怖演出は、「話が見えない」というストレスと相まって、読者をきっちり登場人物たちと同じ地平まで引っ張り込む。

    インパクトのあり過ぎるグロテスク描写が目立つけれど、適度に薫らせた社会派といい、ストーリー展開の妙といい、なかなかバランスに優れた、楽しい漫画だと思う。

    • 1
  4. 評価:4.000 4.0

    文学へのリスペクト

    江戸川乱歩や夢野久作はともかく、太宰治や谷崎潤一郎がミステリを書いていたのを私は知らなかったので、そういう意味では新鮮に読めた。
    「あなたの知らない文豪の一面」を紹介する、というコンセプトは、きちんと成立していたと思う。

    漫画の表現も、原作の空気を壊さない中でコンパクトにまとまっていて、好感を持った。

    そして、この作者は、原作の文芸作品に対して、また、作家に対して、確かな愛着とリスペクトを持っているとも感じた。
    それがなぜ、「文豪ストレイドッグス」で「ああいう方向」に行ってしまったのか、それを考えると、ちょっと残念である。

    • 1
  5. 評価:4.000 4.0

    少女&推理

    普段、少女漫画を読まない。
    が、結構引き込まれて、一気に読んでしまった。

    おそらく、少女漫画の読者層にも、推理漫画の読者層にも受け入れられる、そういう意味では、とてもバランスのとれた作品。

    私のようなすれた人間は、正直、登場人物たちが眩しすぎてちょっと気後れしたし、物語の核心のところにはもう少しひりついたリアルなものがあってほしかったのだけれど、それは、この漫画に求めることとしては、間違っている気もする。

    • 1
  6. 評価:4.000 4.0

    前作に比べて

    基本的な作品のトーンは前作と同じで、相変わらず面白いのだが、一話のエピソードの尺は半分くらいになっており、その点は好みが分かれるかと思う。
    よりサクサク読めるようになったという良さもあるが、そのぶん、キャラクターの掘り下げは浅くなり、重みのあるパンチはなくなった気もする。
    個人的には、「新」ではないバージョンの方が好きである。

    • 4
  7. 評価:4.000 4.0

    客観的に見ると、なかなか残酷な話ではある。
    が、作品としては、とても救われている印象がある。
    その理由は、単純だが、子どもの可能性、というものを、静かに、きちんと描いているからではないかと思う。

    これほどの悲しみと、これほどの希望に満ちた「また会おうね」を、私は他に知らない。

    • 7
  8. 評価:4.000 4.0

    筋の通ったギャグ漫画

    ほとんど出オチのような設定勝負の漫画であり、「やったもん勝ち」的なところはあるけれど、その設定を実に巧みに活かしきっている。
    このあたりはもう、センスと言う他にない。

    滅茶苦茶な設定でありながら、そこから紡がれる話は決して滅茶苦茶ではなく、まるで極道そのもののように、一本筋が通っている。
    そういう意味では、パリッとした、実に清々しいギャグ漫画である。

    • 2
  9. 評価:4.000 4.0

    ホラーとギャグと

    もともと、ホラーとギャグとは、線引きの難しいものだと思う。
    小さい頃に怖くてしょうがなかった「ホラー漫画」が、今読むとことごとくギャグだったりする。
    この作者はそれをよくわかっていて、本作では確信してギャグの方向に振り切っていると思う。
    絵が「古きよき」ホラー漫画タッチであることもあり、妙にノスタルジックな味わいがあった。

    • 3
  10. 評価:4.000 4.0

    世界観の楽しさ

    ベースは仏教界なのだが、そこに、昔話から現代ジャパニーズホラーまで飲み込んで、ごった煮にした不思議な世界が広がる。
    滅茶苦茶のはずなのに、しっかりバランスがとれていて、とっちからったカオスでありながら、漫画としてちゃんとまとまっている。
    こういうのをセンスというのかな。
    その絶妙な世界観が楽しい。

    • 3
全ての内容:★★★★☆ 131 - 140件目/全144件

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