5.0
本編もいいのですが
136話〜138話のモアザンワーズが心にしみます。
わずか3話の短編です。
途中『あの日から50年』とあるので、おそらく60代男性、川西雄大の『原田礼ニという子の話をする』というモノローグから始まります。
原田くんは告白してきた女子にゲイだから付き合えないと言い、それをアウティングされたことから学校で孤立します。ある日、下を見て歩く原田くんに声をかけた雄大。そして、その姿を真似て下を見て歩いてみた雄大は、原田の世界には原田しかいないのだろうか、それは原田が望んでそうなったのだろうか?と考えます。
ある日、50年後の未来がテーマの作文授業で、雄大は原田くんに助け舟を出し、白紙の作文用紙を読む形で、原田くんと自分の周りの状況への疑問を言葉にします。思春期の男の子の素直な言葉が心にしみる場面でした。その後原田くんがまっすぐ前を見て歩く姿を雄大が見かけたことで、原田くんと雄大のより良い未来への希望が描かれているように感じました。是非読んで欲しいと思える短編です。
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