5.0
光 射す方へ
序盤…ただ読み積み重ねる為だけに1話1話“我慢”して、
読んでいました。
多くは語られぬまま唐突に、でも淡々と、
ケイトと呼ばれる不可思議な生き物シャドーと、
エミリコと呼ばれ“生き人形”として存在する登場人物との生活や会話を読まされる。
生活自体は貴族風。関係性はお嬢様と使用人っぽい。
そう、それさえ不確かなまま読んでいく。
“すす”で構成されてるというシャドーという特性上、
絵柄も全体的に暗め、それだけでなく、シャドーのケイトは真っ黒。感情は起伏により“すす”が立ち昇る為、掃除は欠かせない、それも相まって やはり黒が主体。
訳の分からない関係性や、淡々と紡がれ続ける生活や会話。
そしてページ全体の暗い絵柄から、序盤は本当に“我慢”して読みすすめていました。
そもそも、どういう話なの?いつか面白くなるのか?
これは謎有りき?
それとも、こういうファンタジー?
何を読まされているのか分からな過ぎて、つまらなく感じ、途中読むのを休んでいました。
でも。
しばらく経って、この暗い淡々とした雰囲気の中で唯一ドタバタと騒がしく明るいエミリコの行く末が気になり、戻ってまた少しずつ読み始め…
本当に少しずつ、シャドーケイトとエミリコが関係性を深めていくのに比例し、物語も動き始め、全体的にも躍動が感じられていきます。
そう感じてから、いつの間にかでした、
この物語に のめり込んでいってたのは。
エミリコのドタバタ無邪気そのままに、シャドーケイトを慕いつつ身の周りのお世話を頑張り、失敗しながら次には笑い、またトライしていく。
シャドーケイトは、そんなエミリコを時には不満や不安を抱きながら、受け入れ見守り励まし、
ケイトは、エミリコを理解していく
エミリコも、ケイトを理解していく
そうしてやっと、他の登場人物達との比較も始まりー
シャドー、そしてシャドーハウスの
恐ろしい本質が垣間見えていく。
無料分112話まででは、
ほんの助走が整ったくらいでしょうか。
シャドーとは?シャドーハウスとは?
生き人形とは?そして…
ミラーハウスとは。
新たな眩しそうな局面の扉を、また少しずつ、でも夢中になって読みすすめていきたいと思います。
- 2