5.0
「トンイ」風韓流大河朝ドラマ
下女から王の側室へ!?と聞くと、思い出すのは韓流時代劇の「トンイ」。あちらは、下女どころか奴婢から側室となり、王母まで上り詰めた女性の半生を描いた作品、おまけに実在の人物をモデルにしているってことだから、ポクチャとキョルのお話も、全く荒唐無稽というわけではありません。
それにしても、古今東西人間って、王族?皇族?将軍?の直系(特に男子)を残すために、後宮?ハーレム?大奥と似たようなシステムを作ってきたんだよなぁ…マジ種馬扱いじゃん!と、キョルでなくても嗤ってしまう。多分、そういうもんだという価値観で励んだ方が、ほとんどだろうけれど、中にはキョルのように、自分の役割に疑問をもったおーさまもいたんだろうな。そのあたりに視点を向けているためか、「側室制度」に伴うドロドロが苦手な読者でも、抵抗感少なめで読み進めることができます。
政治的後ろ盾のないポクチャの武器は、日々の生活を大切にする平民感覚と誠実さ、そして、人間キョルを愛する心。そんなもんで後宮を生き残っていけるんかーい!と、ツッコミを入れたくなりますが、それでも少しずつ味方を増やし、地位を高めていくところは、さすが韓流!ワクワクします。
初めは、全然可愛くも美しくもなかったポクチャが、王様を愛することによって、どんどん綺麗になっていく様子は必見。時々差し込まれるナレーション的状況説明は、完全に大河ドラマ及び朝ドラ風で、スケールの大きさを感じさせます。さあ、トンイのようにポクチャもキョルとの愛を貫けるのか、ハッピーエンドを期待して、星5です。
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