5.0
同性愛とか関係なく一人の人を愛する気持ち
同性愛うんぬんでは無く、一人の人を愛する気持ちが凄く上手に、そしてリアルに描かれてます。
誰かを本気で愛するってゆうのは、ただ綺麗な感情だけじゃなく、ドロドロの嫉妬や葛藤、迷いや狡さが沢山あって、そんな想いが主人公二人の間で交差していて読んでいてどっぷりハマりました。
窮鼠は、、、からハマって全シリーズ読みましたが、特にこの『梟』は、この窮鼠シリーズで一番、恭一さんと今ヶ瀬君の葛藤が細かく描かれていて、涙無しには読めませんでした。
恭一さんはノンケだから今ヶ瀬君のいる場所(ゲイの世界)は遠くて怖くて中々踏み入れられないし、踏み入れる勇気が無い。一方の今ヶ瀬君は恭一さんがノンケだから、常に女の影を気にして、恭一さんにもノンケの人たちが抱く一般的な(伴侶を見つけて結婚する)幸せを奪えないと思ってるけど、好きな気持ちを抑えきれない、、、って読んでるコッチからしたら、もうこのお話で恭一さんは今ヶ瀬君をついに抱いちゃうんだから、お互いが想い合ってて求めあってる訳で、上記に言った理屈なんてどーでも良くない?と思ってしまうんだけど、当事者の二人にはそうはいかない。
結局、今ヶ瀬君の一言が決め手になって二人は好きあってるのに別れてしまうけど、別れるシーン、特に今ヶ瀬君が恭一さん自身が分かってない恭一さんの良い所を伝えるシーンが本当に切なかった。別れた後に恭一さんがボロボロ泣いて、今ヶ瀬君を好きだった、恋人だったってゆうシーンで涙腺崩壊しました。
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