5.0
すべてはタイトルの中に…
初めは、幼馴染み再会Love モノ?と思いきや、すぐ間違いに気付かされる。これは、切なくも哀しいラブサスペンス。全話読んで、犯人が分かった後、ぜひもう一度、読み直してほしい。1周目では見逃していた多くの伏線に気付き、全く違ったニュアンスを感じながら、読み返すことになると思う。
“忘れるなよ どんな闇の中でも 前を向いて 光を見つけて歩くんだ” これは、真美の中に残る倫の言葉。全ての答えは、タイトルの中にあった。
ポラリスー北極星、その光は強くはないけれど、揺るぎないものとして、旅人たちを正しい方向へ導く。真美にとって倫は、これからも北極星のような存在であり続けるのだろう。もしかしたら、彼女の中での倫は、実際以上に美化され過ぎているのかもしれない。だが、それでも構わないと思う。残酷にも12歳で命を奪われた少年だけれども、確かに存在していたという証が、彼女の中に残るのなら…。
大人が大人としての役割を、蔑ろにしてしまったが故に、傷付いてしまった子供たち。開けられてしまったパンドラの匣。哀しく切ない結果となってしまったが、その中にあって、真美と飛鳥が手を取り合い、ともに新しい一歩を踏み出したことが、せめてもの救いであろう。二人の幸せを信じることで、「希望」が生まれてくる物語である。
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