【ネタバレあり】[小説]被虐の蛇【イラスト入り】のレビューと感想

溺愛ですね（笑）

主人公の黒江がとてもクール。生い立ちのせいか、お金が全てと言う考えの持ち主です。
確かにあの幼少期は酷すぎる💧
愛なんて、と考える様になってしまっても仕方ないのかなと思います。
弁護士となって、並以上の生活を手に入れても、人を愛する事を理解出来ない黒江は、傍から見ても幸せそうには見えない。
そんな中、仕事の関係で研城に出会い、口説かれまくります。
研城はヤの付く職業の人で、若頭補佐と言う肩書きで見た目の軽薄さとは裏腹に有能なインテリヤクザです。
一方、一緒に仕事をしている学生時代からの友人、八束も黒江に昔から片思い。
元警察官ですが、黒江のそばにいたいが為に探偵っぽい事をしてます。
正直、3人ともお世辞にも良い人とは言い難い（笑）。
政治家の気持ち悪い爺さんに、お金の為に身体を差し出そうとした黒江に、研城がプッツンして、襲われて肉体関係に。
先に手を出されて、これまたプッツンした八束に襲われて…💧
（八束とは最後迄してません。）
二人にどれだけ言い寄られても、黒江は愛する事も愛される事も分からないので気持ち悪いとしか思いません。
ただ利害関係だけで、しょうがなくそう言う関係になっているだけなので、そりゃあ、研城も八束も歯がゆいですよね。
3人それぞれ、色々普通ではありませんが、見ていて1番かわいそうと思うのは、黒江でした。
綺麗事じゃなく、どんなにお金があっても心から満たされない。
心から幸せと思える事がない。
虚しさを覚えて、投げやりになった黒江は結果的に研城や八束を仕事で裏切ってしまいます。
勿論、すぐに露見し二人にもの凄いお仕置きをされるんですが…。
いやー愛されてます（笑）
二人がかりでこれでもか!って感じで。
八束はとっくに黒江に好きだと伝えてるし、研城も惚れてるとは言ってたけど、お仕置きの最中に「分かってんのか?愛してるって言ってんだ。」って。
もーこれは殺し文句だわ💧
黒江も、まだハッキリとは自覚してないようですが、少しずつ分かり始めてるんじゃないかな。
結局、この3人はこの調子かなと思います。私的には研城とくっついて欲しいけど。
とりあえず、その後の3人も見たいので続編お願いします!

読みごたえのある長編でした！
攻め2人が迫力があるのはすごいですが、受けが負けていないのがすごい。幼い時の生い立ちがそうさせているのですが、愛とか情とかがなくて清々しいです。