暗いのが好きならたまらん作品
エンタテインメントに偏った 『うらめしや』 とは方向性の違う作品です。
真夜中のマリア、エンドレス・ラブ、どちらも理不尽に傷つけられ、虐げられてきた人の物語。
真夜中のマリアの方は、いやこれは無理でしょう神父が気の毒に、と思わずにはいられません。
ラストの方で、マリアの事情が明かされるんですが、神父への仕打ちがこうまで酷いと余り同情できないというか。
ストーリーというより、テーマ性で読むべき作品と思います。
エンドレス・ラブはむしろ、真の主人公はヒロインでなくヒーローの聖也ではないかと思われます。
聖也とその母とのドロドロの関係、結末に目を奪われます。
親が毒だった人には、わかりみ深いんじゃないかな。
こちらも、ストーリーの方はまぁ、単純というか…… 少なくともヒロインとヒーロー親子の関係とかは割と早めに予測がつくので、大して見所はないのですが、真夜中のマリアよりは面白く読めます。
掌編2作、どちらもストーリーがイマイチだと言いつつ☆5にしたのは、あまりにも他のレビューの評価が低いから。
これだけのテーマ性を持ってる作品に対して、『単なるレディコミ』 的な評はいただけません。
確かにエ□描写満載ではありますが、中心となってるテーマはそれじゃない、っつーの。
性や愛が間違えばいかに人を傷つけるか、そういうことを考えながら読んでいただきたいです。
ドロドロ暗いの好きなら、琴線に触れるところのある作品です。
- 1
5.0