1.0
ぺらっぺらの雰囲気漫画
主人公の優佳は本当に精神科医かと思うほどやってることも言ってることもド素人過ぎて、もうこの時点で嘘くささ全開。浅くて薄っぺらい。キャラがステレオタイプのメンヘラばかりなので、精神科医というからにはそこんとこもう少しプロらしく捌いて欲しかったね。患者に引っ張られて病む精神科医も多いので、精神科医も定期的に他の医者のカウンセリング受けてる場合も多いけど、優佳は医者として患者に向き合う前にまず自分を何とかしろって感じ。家族やリサの持つ暗部に引きずられて自分もガタガタじゃんねプロの精神科医が。挙げ句の果てに患者の男と逃げて「何もかも捨ててやり直せば上手くいく」って、んな訳ねえだろ!ってツッコミながら読んだ。優佳がただの素人だったらこういう後先考えない展開もアリだけど、このキャラを精神科医にする必要はあったのか。司と出会わせて「陽性転移による精神科医と患者の恋」を描くために、とりあえずヒロインを精神科医にしてみたって感じ。作者は精神科のことも陽性転移のことも、ちゃんと取材したり調べたりせず、何となくフワッと雰囲気で描いたんだろうなって思わされるほどの浅さ。とかに後半はもうツッコミどころしかなくて、追い詰められて執着を強めた司を「なんだか怖い…」とか、バーサクした翌朝急に明るくなって遊園地で遊んで「ありがとう」なんて、こんなん死ぬか失踪するかの前兆でしかないじゃん。それすら気付かない優佳がクソ素人過ぎてイライラした。自分のトラウマから司を守りたいという私情を暴走させた挙句、軽率な遁走と同棲で司をさらに追い詰め、挙句、失踪した司の子供を妊娠して(避妊ぐらいしろよな)、シングルマザーになった優佳のところに、大人になったリサが謝罪に現れ、求婚していた元カレも良き理解者ヅラで、最後はいきなりニコニコと司が現れてハッピーエンドって…予定調和というのもおこがましいほど、ご都合主義の投げやりラスト。もうキャラの内面やエピソードをいろいろ掘り下げて描くのが面倒になったのかなってぐらい、テキトー過ぎるエンディングだった。メンヘラの重めの純愛とか描きたかったのかもしれないけど、ヒロインを精神科医にするならもう少し調べてから描こうよって思った。ペラッペラで説得力ゼロ。課金して最後まで読んで損した感。
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