六道の悪女たちの投稿まとめ

地味メン×ヤンキー娘

ネタバレ レビューを表示する

一見ありがちな学園ラブコメハーレムものかと思いきや、その中身は、怪き古の陰陽の力(？)によって悪女(ヤンキー)にのみモテモテになってしまう力を身に付けた地味で冴えない高校生の、笑いあり涙あり恋ありのドタバタアクション青春群像劇？？？？？？

女にモテモテになるっていうチート能力とはいえ所詮はヤンキー女だからモテてもしょうがないよなぁ〜と思って読んでたけども、主人公に惚れる極悪ヤンキー女達が、だんだんと可愛く見えてくるから不思議。

主人公以外には平気で「コロすぞ」とか凄むのに、主人公を前にしたら急に「きゅるん♡」てなって頬染めて少女漫画の登場人物みたいな恋する乙女の顔になるからそのギャップにいつも笑ってしまった。

主人公の仲良しの地味メン2人もとても良いキャラ。
普通、周りにどんどん濃いキャラが追加されていくと、昔からの友達☆みたいな地味なキャラはフェードアウトしていくものだけど(ヤムチャ的な)、この2人は話数が進んでも周りがどんどん濃くなっていってもちゃんとキャラ立ちしてて、今までと変わらず主人公の精神的支柱になってくれてるからとても嬉しい。
普通の漫画ではソッコーでヒロインとなりえる真面目系優しめ可憐少女も、この漫画では時々現れるボケキャラとして話を盛り上げてくれる脇役に甘んじていて、それもまた新鮮で面白い。

主人公の周りのキャラクター全員がちゃんとキャラが立っていて、それぞれに役割があり、みんな「バカだけどいいヤツ」ばかりだから、ヤンキーが暴れまわる絵面が多いにもかかわらず全体的に朗らかで和やかな印象が強い漫画にまとまっているような気がする。

無料分を読み終わってしまって寂しい。
続きが読みたいと思わせてくれる良い作品だった。

懐かしさも感じられる意外な全方位的面白さ

はじめて電子媒体で読んだ漫画がこの作品。最初はいわゆるハーレム系とヤンキー系が融合したような物語かなという色眼鏡で本作を読み始めた。
ところが、主人公を含めた彼を取り巻く｢悪女｣たちひとりひとりのキャラ設定の度合いや物語の展開の速さ、そして絶妙に織り込まれたドタバタギャグ要素。昭和50年代から平成初期の懐かしさをも感じることができる肩の凝らない王道ラブコメ作品といえる。キャラ設定が詳細になりすぎたり、物語が遅々として進まないといったストレスとは皆無の快作である。
また、ヤンキー系好きかどうかにかかわりなく、ラブコメやバトル系、群像系あらゆるジャンル好きの方も楽しめる作品といえよう。子どもから初老の方辺りまでどの世代が読んでも｢置いてけぼり｣されない安心感と懐かしさが溢れた作風と思われる。
そのような意味で、本作はまれに見る｢全方位的｣面白さを織り込んだ名作と思う。