5.0
いい意味で!思ってたんと違った!!
読む前は虐めの話は胸糞悪いし、大体、自分を虐めてた相手を好きになるとかありえんやろ。と思いつつ、何なんこの高評価…と思って読んでしまったら…良かった!めっちゃよかった!
そもそも、中学時代の糸永と真田は仲が良くて、糸永は真田が好きだった。でもある日を境に真田から虐められ、真田の影響力の大きさでそれがクラス全体に波及してターゲットになってしまい転校した。
過去から逃げ続け、息を潜めるように大学生活を送っていた糸永の前に突然真田が現れ、何事もなかったかのように接してきた上、告白してくるが、勿論、糸永に真田の真意はわからない。そして読者にも途中まで真田の本質が見えない。真田の言動の背景がわかるまでが、とにかく不気味というか不穏というか…目的がわからんのでね。何を信じていいのか糸永と一緒に悩む…
けど、真田は中学時代から糸永が好きで、辛くあたっていたのにも彼なりの理由があった。
ただ、自己肯定感が異常に低い糸永と、おそらく誰にも理解できないが同じく自分に全く自信がない真田がとにかく拗れに拗れていて、からだでは簡単につながっているものの、素直に相手の言動を受け入れられず、些細なことで誤解を繰り返してしまう。そのたびにお互いが何度も(自分の中で)過去を持ち出して傷ついて読んでいて辛くて泣けてしまった。
立場的に加害者の真田は後ろめたさから糸永に強く出れないが、ことあるごとに糸永がとにかく頑張る!積年の誤解が解けたときも、お互いの誤解で別れそうになったときも、糸永が先に素直な気持ちを吐露したからだったし。真田もちゃんと自分の気持ちを伝えるから誤解が解けるのも早かった。現実もそんなもんだと思うし。腹括らんと大事なことは何も前に進まんもんな。
読み進めるごとに、ただただお互いのことが好きでたまらんことが伝わってくるし、どんどんお互いエロくなって素直に甘えられるようになっていくところがたまらなく幸せ。
読んでよかった、ありがとー!
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