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  1. 評価:5.000 5.0

    美しく繊細で大胆 もはや芸術作品

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    マコ 「じゃー私のために書いてよ」

    ミヅキ 「私書くのどーせホラーとかサスペンス的なやつだと思うけど」

    マコ「いーの何でも。オバケでも殺○鬼でも」


    マコ 「シャーロック&ホームズみたいなの書けば!?」

    ミヅキ 「いや、"&"要らないから。二人組じゃないからね」

    マコ 「有名人になって、時の人みたいになって、そしたら私 自慢するの。それが今の私の夢ってことで」


    学校帰りの橋の下の、この他愛のない会話の場面がずっと脳裏にありました。

    ミヅキは「マコを守る」という約束が果たせなかったけど、「マコのための小説を書く」ことは果たせたのだなと思いました。

    マコのための「紙上の虚構」ではなくて、マコが忌々しく思っていたマコ自身の過去を消すために、それが今度こそマコを守ることだと考えて、殺○鬼が出てくるサスペンス的なストーリーを、ミヅキは自身の人生を賭して実世界に書き上げて約束を果たしたのだなと思いました。

    そう思うと、最後の場面は涙なしには読み進められませんでした。
    マコが踊る、そして昇天。
    マコもダンサーになれたのですね。

    人生のごく短い一時期のみに持ち得ることのできる、只々純粋に純粋に友を慕い、大切に思う気持ち。
    利害関係などない、掛け値なしの純粋な気持ち。
    そんな美しく尊い感情を、よく錬られたストーリーと構成と、そして圧倒的な画力と繊細な描写でこの上なく美しく描きあげた作品は、人生の折り返し地点を過ぎた男やもめの胸を撃ちました。

    素晴らしい作品を読ませていただいてありがとうございました。作者先生に伝えたいです。

    • 4
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