5.0
最悪の男
「醜女の祈り」は前々から気になっていた作品だったがこの度購入して、あまりの怒りに震えたのでレビューさせて頂く。
私が怒っている対象はは主人公ではなく、姑でもなく、夫であるエリートである。
「内面が好き」と言ったにもかかわらず、主人公が整形していることが発覚し整形前の姿を見た途端、主人公を無残に捨てるその精神である。
それなら最初から「顔が好みだ」とはっきり言っておけばよかったではないか。
私も男であり、個人的にも女性のことを見るとき現実としてまず見た目から入るということは否定できない。というかはっきり言ってまず見た目である。そして整形には正直言って嫌悪感を感じることも確かだ。
そういう意味では私のメンタルはこのゲスな夫とそう変わらないかもしれない。
しかし、私はそれを公言するところが唯一彼と違うところだと思う。
裏では同じことを思っているくせに、表面上「内面が好き」と大嘘をつくよりもよっぽど誠実であると思っている。
要するに嘘をついてはいけないということだ。内面が好きと言ったなら、整形だろうがなんだろうが添い遂げるというのが責任というものだろう。それを何食わぬ顔で反故にする。人間のクズにも程がある。全くもって反吐がでる漫画だった。
そしてこのような男の、人間の、そして社会の二面性を鋭く描いた素晴らしい漫画であった。
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