5.0
心を抉られる作品です
砂時計の焼き直しで、キャラの精神性はそのままに、切り口を変えればどんな物語が生まれるのかと。
先生のこの言葉にとても納得しました。
物語はハードな内容が多くて読み進めるのが苦しい場面も。幼い二人の心情を思うと、母親の行動が心底恐ろし過ぎて。先生が描く子供の瞳が可愛くて、一層苦しさが増します。
喧嘩のシーン、その内容、蹴り落とすシーン、
妊娠と堕胎、壊れる寸前の水帆の表情…かなり
ヘビーでした。
一人の人間にはほんとうに様々な側面があって。
この日常にはひとつの真実に見えてもはかり知れない様々な側面が確かにあって。そう、ある。
ラストまでそこにブレがなかった。
「だからこそ…」っていうメッセージをわたしは受け取りました。
本当に生きにくい世の中だし、自分の中の生まれ持った性質というか、抗えない何かは確かにあるけれど、シンプルな気持ちを見失いたくないなと心に刻みたい。
- 3