5.0
哀れな切ない世界
一方で大ハマりしている青楼オペラと違い、こちらは哀れな切ない世界観です。多くはこういう世界だったのだと思いながら読みました。そうしなければ生きていけなかった現実、ついに掴んだかと思う幸せが手の中にあると思ったら、壊れて崩れてしまう。それらを天命と思いながらそれでも懸命に生きる姿に、背中を押される感覚になりました。
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一方で大ハマりしている青楼オペラと違い、こちらは哀れな切ない世界観です。多くはこういう世界だったのだと思いながら読みました。そうしなければ生きていけなかった現実、ついに掴んだかと思う幸せが手の中にあると思ったら、壊れて崩れてしまう。それらを天命と思いながらそれでも懸命に生きる姿に、背中を押される感覚になりました。
私は、漫画は電子で買って飽きたらどんどん削除するんですが、これはずっと残していて時折読み直す作品です。
オムニバス形式でほぼ同時期の茶屋を舞台にヒロインが変わって一つ一つの人生を描くので、かつてのヒロインが出てきて現在のヒロインに影響与えたりします。
可哀想な死に方をしたかつてのヒロインが端役で無邪気に出てくるとウルっと来ちゃいます。
ご都合主義な作品ではないので大人の女性にオススメします。
色々な人物目線の作品になっていて、あの台詞の背景にこういう出来事があったんだ~って、後から納得できる作品です。
全体的に切ない感情で溢れていますが、霧里姐さんと東雲の話はなんとも言えないです。
何度読み返しても姐さん達の粋な姿にキュンとしちゃいます。
が丁寧に描かれていて切なくて泣けてきます。
絵はもちろんキレイなんですが、遊女の女性たちが一生懸命に生き抜いたことがキレイで切なくて!
世代をまたいで描かれているので、途中でここでつながってたのかぁ、と気付きながら読むのも楽しいです。
何人も主人公が変わるので自分の感情移入できる主人公がひとりはいるかもしれません。個人的には八津が好きです。
別の作者さんのさくらんという、郭の話も読みましたが、そちらより人間に希望が持てる話です。現代に生きてることに感謝しなきゃ。
遊女のお話はいくつもあるし、似たようなお話かと思いましたが…絵が綺麗なのでポイントある分だけ…と考えていたら、最後まで読み切ってしまいました。
ゆっくり…愛おしくて、切なくて、悲しいけど…とてもあたたかいお話でした。
あまりに切なくて…すぐは読み返せないけど、また最初からゆっくり読み返したいと思えるお話でもあります。
似たような作品で悩んでるようでしたら、これにするべき!後悔しません!!
遊廓の文化(と、呼ぶしかないんだろう。そんなキレイな言葉で形容してよい気がしないんだけど)を描いた作品をいくつか読んだ。吉原を含め色街にはランクがあって、きらびやかなところはほんのひとにぎりで、ほとんどは残酷で目も当てられない世界だ。でもマンガにすることで、残酷さが緩和されることが多い。苦界とよばれる世界ではあるけど、そんななかでも女性が自分なりに躍進して行けるというような。もちろんほんの氷山の一角ではそういう部分もあったと思うし、遊廓でないところで草の根を齧りながら体をもてあそばれて家族の生活の足し、になるかならいかの金銭を得る最貧層もあったわけだろうけど。それにしても遊廓の話はつらく、しかし心を動かされる。この作品は辛い面をエログロとしてでなくひとつの事実として淡々と描いている点で秀逸であると思う。つらく、切ない中に、それでも生きる女性のちいさな命の火。時にはそれが消える。やるせなさの中に強さを垣間見てしまうのは、希望がないことが耐えられない現代人の性だろうか。
レビューが高いだけあり、内容が深く読みごたえありました。
遊女たちの顔の特徴がつかみにくいので、最初は誰が誰だか分からないと思いましたが、すぐに慣れました。
展開もいいペースで進みますし、時代背景がどうしても説明文を、入れないと分かりづらいですが、難しすぎない軽いタッチで読みやすいです。
吉原は色々読んでいるので知ってるのですが、早々に色や、身請け話まで初めの方に出てきているので後半戦が楽しみです。
絵が綺麗で可愛い!豪華です。遊女ものにありがちな、セリフのわざとらしさもなく、素直にストーリーを楽しめました。
複数巻のオムニバスで主人公が入れ替わりますが、少しずつ繋がっています。
映画になった「朝霧」というヒロインのお話、別のヒロインのお話から見るとサスペンスみが増すし、伏線とも思わないようなところが後から関連していくのも面白い。
男と女だけではなく、親子やきょうだい、姐女郎が部屋住みの子たちにかける愛情などそれぞれ泣けます。
個人的には髪結師のおじいちゃんがとても好きなので、最後の巻で回収される伏線がとても温かく感じました。
コミック版が気になったので読みましたがとても良かったです。
遊女ものといえば、主人公が花魁に成長する華やかな話や、ひたすら女の苦界を描いた作品が多い印象ですが、こちらはそのどちらとも違い新しいなあと感じました。
決まった主人公はおらず各話で違うキャラに焦点が当てられます。悲恋もあれば、なんとも切なくなる話や、胸が暖かくなる話もあり、人間模様が秀逸です。
最後まで読むと各登場人物が繋がるので、是非最後まで読んでいただきたいです。
吉原遊郭の一つである山田屋に属する遊女たちのお話です。各話ごとに主役が交代する連作漫画です。
絵も艶っぽさも出ていて着物の描写も華やかで美しいです。
各話に登場する遊女は性格や抱えている事情は違いますが、貧困や親の身勝手な事情で遊郭に売られる理不尽さや好きな人と結ばれることが許されない不自由さ、病気にならずに生きて年季を終えて吉原を出ることの難しさなど吉原遊郭の過酷な現実が描かれていて色々と考えさせられました。