4.0
憑かれやすいから疲れやすい(掛け言葉?)
不吉なものとされる紫の瞳をもって生まれてきた伯爵令嬢フィオナ。「人ならざるモノ」が視えるせいで、さらに社会から浮いてしまい、そのため目立たないように生きています。そんな彼女がロイシュタイン公爵ヴィンセントに触れると、彼にまとわりついていた精霊たちが離れ、体が楽になる…ということで、行儀見習い?恋が始まる?伯爵令嬢→公爵夫人へのシンデレラストーリー?の体質改善ラブファンタジー路線へ…でも、ちょっと違ってたー!
意外と早く両想いっぽくなっている二人なのに、フィオナの態度がどうも煮え切らない。身分差以上に自分を卑下して、ヴィンセントの幸福を願いつつ、自分は側にいるだけでいいって、何やよー分からん思考回路。でも、それだけ差別をされてきたから、傷付いていて、自己肯定感が壊滅的で、今さら自信がもてないんだろうな…。
ヴィンセント、兄フェリクス、モブ取り巻き令嬢ルネシアの発言の中に、差別やマイノリティに対する偏見について、さりげなく批判がぶっ込まれていると感じました。ほんわかした画ですが、物語は意外と硬派。差別は人の心の中にある…ラブコメの体をして、改めて突き付けられた気がします。
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