アンテン様の腹の中の投稿まとめ

アンテン様の腹の中
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作品レビュー レビュー10件

お役立ちレビュー

  1. 評価:5.000 5.0

    「これ系」の最高傑作

    ちょっと雑なカテゴリー化になるが、
    1.短編形式のオムニバスであり、
    2.登場人物が現実の枠を超えた奇妙な出来事を経験する、
    というタイプの漫画を、「世にも奇妙な物語系」と勝手に呼ぶことにする。

    古くは「笑うせえるすまん」とか「Y氏の隣人」、懐かしいジャンプのホラー枠で言えば「アウターゾーン」、個人的に好きな「走馬灯株式会社」なんかがこれに分類されるかと思う。
    何が言いたいって、掃いて捨てるほどあるそのような作品群の中で、過去に数々の名作も生まれてきたこのジャンルの中で、本作が最高傑作なのではないか、ということだ。

    この「世にも奇妙な物語系」には、話の「定型」が決まっているタイプが結構あって、例えば「笑うせえるすまん」であれば、喪黒福造に出会って「ドーン」とやられるのが「定型」だし、「走馬灯株式会社」であれば「自分の今までの人生を記録したDVDを見る」というのが「定型」になっている。
    本作の場合、「アンテン様」という神様に願い事をすることが「定型」なのだが、まずこの「定型」が、作品の装置として素晴らしい。
    設定自体はいたってシンプルで、「ひとつ得れば、ひとつ失う」という人生の鉄則みたいな感じなのだが、そこから生まれる制約や矛盾、得るものと失うもののバランスといったところから、哲学的な深みを感じさせつつ、しかもポップに物語を紡ぐ様は、芸術的ですらある。

    そして、明確な「定型」がありながらも、話のバリエーションの振れ幅は尋常ではなく、背筋が寒くなるようなホラーから、抒情的なハートフルストーリーまで、どこを切り取っても完成度が高く、隙がない。
    舞台設定も、現代から、戦後から、江戸時代あたりから、と多岐に渡るが、これは、アンテン様が「神」であればこそ可能な設定の自由度であり、また、アンテン様が長きに渡り、人間の本質を見つめ続けてきた、という重みも感じさせる。

    アンテン様、という「神様」のあり方は、何だかとても魅力的で、しっくりきた。
    私は基本的には無神論者だし、多くの日本人は本質的にそうだと思うが、こういう「神様」がすっと入ってくる読者は多いかと思われる。
    そういう意味では、実に日本的な作品でもある。

    私は、「私とワルツを」でボロボロ泣いてしまった。
    大人になってから、漫画でこれほど泣いたことは多分ない。

    by roka
    • 16
  2. 評価:5.000 5.0

    アニメ化してほしい!

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    心温まる話もあれば自業自得で破綻していく話もあったりとアンテン様に願いを叶えてもらったいろんな人達の話です。
    供物に込められた思いが深いほど叶えられる願いのランクが上がっていく感じで、願いに見合わない思いの深い供物を供えるとその余った分捧げた人に還元してくれる良い神様ですが、神様なのでもちろん怖い部分もあります。
    もっとこの漫画知られてほしい!

    • 0

最新のレビュー

  1. 評価:3.000 3.0

    和風ダークファンタジーものです。怖いエピソードもあれば、感動的なエピソードも。欲しいものがあるときは自分が大事にしてるものをアンテン様に差し出します。

    • 0
  2. 評価:5.000 5.0

    私とワルツを

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    とあるレビューを読んで「私とワツルを」だけ先に読んでみた

    絵がニガテなタイプであることが全く気にならないほど 深い夫婦愛に胸を打たれて泣けた

    • 0

各話のコメント コメント2件

いいね が多いコメント

  1. 010話

    第三話 「私とワルツを」(3)

    評価:5.000

    2023/05/14 3:51

    ネタバレ コメントを表示する

    いやいやいやいや風琴の回で大号泣しちゃったんだが!なんか久々に漫画で泣いた…

    by 咲夜凛さん

    • 0
  2. 007話

    第二話 「生きてるだけで」(3)

    評価:5.000

    2022/08/07 21:45

    ネタバレ コメントを表示する

    どの回も好きですが、この回が1番好きでした。後半、この回の主人公の男の子と同じく、私自信も気持ちが癒されました。感謝。

    by 伊勢子さん

    • 0