1.0
少年よ、緊迫しろ
ある日、唐突に「50年前」の村に迷い込んだ少年が、兄と連絡を取りながら脱出しようとするのだが、という話。
方向性としては「サイレン」というホラーゲームみたいな感じを狙ったのかもしれないが、信じられないほど面白くない。
何しろ緊迫感のなさが異常である。
タイムスリップ、どうやら村は間もなくダムの底に沈む、村では訳のわからないかくれんぼをやっている、袋をかぶった変な男が歩いている、などなど、ヤバイことだらけなのに、何ひとつ、ヤバい雰囲気がない。
「お前らもっと緊張感を持ってやれ!」と私は、上司が部下に感じるような苛立ちしか覚えなかった。
漫画を読んでいると、ときどき、商品として流通していることが信じられないような作品に出くわすが、本作もそのひとつであった。
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