2.0
怖いんじゃない、痛いんだ
私は怖い話は好きだが、痛い話は嫌いである。
ということで、読んだ私が間違っていた。
その点は、すみませんでした。
別に本作はホラー漫画ではないし、「いや、別に怖がらせることなんて狙ってねーし」と開き直られたら、私は何の反論も出来ない。
だったらまあ、「怖い」というのは、「読者にスリルを与える」というふうに言い換えてもらってもいい。
申し訳ないけれど、漫画でも映画でも、ホラーであれサスペンスであれ、「痛い」の方向に振り切った作品というのは、はっきり言って志が低いと思う。
こういう言い方は嫌いなのだが、低俗だ。
なぜなら、読者に恐怖を与えるより、「痛い」と感じさせる方が、百倍簡単だからである。
ちょっと想像してみればわかるが、あなたが今から大の大人を怖がらせる話をして下さい、という課題を与えられたとしよう。
結構ハードル高くないですか?
しかし、これが「痛がらせる話」となると、途端に敷居が低くなる。
それこそ爪がはがれた話でもすれば、事足りるだろう。
感動の押し売りみたいな作品のことを指す「感動ポルノ」なんて言葉があるが、この種の作品を今後私は「恐怖ポルノ」と呼ぼうと思う。
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