3.0
昭和の男が描くリアリティのないイイオンナ
ドラマでおなじみ「ショムニの作者が描いた」と聞けば、何となくその作風と雰囲気が伝わるのではないかと思います。
テンプレ化された様式美というか、使い回された型に当てはめられた主人公像と良くも悪くも実に昭和の男らしい作者の作風が混ざった作品です。
気高さや高嶺の花感がありつつも、どこか親しみやすく人間関係を大事にするちひろさん。
なんというか、この主人公像が非常に微妙。
女性なら理解して貰えると思うんですが、女性が描いたらそういう矛盾もないんだろうけれど、男性が自分の理想と欲望を詰め込んで描いたが為に生じる違和感やなんか違う、という感覚が、回を増すごとに強くなる。
それを味だとか作風とか漫画だし、リアルを求めるなと割り切れる人が読むには向いている。
割り切れない、違和感が拭えない人にはそこで読む手をとめることをお勧めします。
正直、私はこのちひろさんに対する違和感が強くて気持ちが悪かったです。
女のことをわかってない、理解していないし理解するつもりもない。ただ理想を描いた。
そういう描き方だなぁと感じてしまいました。
昭和の漫画や昭和の男が描く理想のいい女の話が好きな方にはお勧めです。
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