4.0
主人公のひたむきな姿が可愛いです。
続話入荷待ちなので最後まで読んではいませんが、
このお話の続きであるらしい作品は読了済み。
作品としてはロリエロ物で無理やり系、
寝取られもあり、という感じなのでしょうが、
そういったカテゴリーを超えた何かがある作品だなあと思います。
人間の綺麗で上品な部分ばかりでなく、
どちらかといえば生々しくて醜い部分までがっつり描かれている方なので、
好みは分かれるかもしれません。
特に人間関係はとても複雑ですね。
父親違いの兄から自分の生い立ちを暗に告げられ、
その事実に絶望して自暴自棄になった青年が、
両親を亡くしても明るく元気に振る舞う友人との差を眩しく感じてしまい、
彼が一番大切にしている拠り所、
唯一の希望である妹の由奈ちゃんをめちゃめちゃにしてやろう、と思っていたのに、
密かに彼に想いを寄せていたこともあり、
どんなにひどいことをしても彼女は健気で優しくて、
そこにうっかり、今風にいうとバブみを感じてしまって…
丁寧に書かれているにも関わらずとっ散らかった印象を受けます。
おそらく掲載誌が男性向けということもあり、
「心理描写よりエロシーンを重視してください」みたいな指示があったのかもしれないですね。
(正直由奈ちゃんの兄と彼女のエッチシーンとかそこまで必要かな…と思ったり思わなかったり。
彼女自体はとても良い子だし、役割もあるし、好感もてるのですが)
登場人物が全員未成年(おそらくは高校生?)ということもあり、
人間として未成熟ゆえに過ちを繰り返してしまう様が実にリアルでした。
それゆえに気持ち悪さが先に立ってしまう人も多そうですね。
これが舞台が現代ではなくファンタジー(中世ヨーロッパとか)なら
もっと「別世界の話」と切り離して見られたのかもしれませんが、
この作品もつ妙な生々しさが「どこかで起きていそう」と思わせてしまうのが
恐ろしいところであり、またすごいところでもあります。
ある種のホラーと言えるかもしれません。
などと気になる点は多々あるのですが、
個人的にはどのキャラクターも魅力的に描かれていたこと、
由奈ちゃんが純真無垢な天使すぎて可愛かったので☆4つ。
女の子の描写にとにかく愛を感じるのできっとお好きなんでしょうねぇ。
それにしても、世の中ままならないものだなあとしみじみ思ってしまったお話でした。
すごい作家さんですね。応援したいです。
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