5.0
最後の逆転劇。糸が繋がる。
早梅と壱成が魅力的なので読んでてずっと楽しいけれど、見所はそれぞれ登場人物の持つトラウマについて心情が怖いほどに伝わってくるところ。
本当に追い込まれて犯罪する人間の描かれ方は、もう本当にホラーなんだけど
どこか共感できて同情心さえ持ってしまうから、顔は怖いけど憎めなさがある。
壱成がひねくれた理由も、早梅のお父さんの気持ちも最終話を読んでやっと絡んだ糸が解ける感じ。
最後を読んでからもう一回読んだら
ああ、そういうことかって繋がる。
そう思うと高校生のお兄ちゃんと早梅の別れは切なくてお兄ちゃんを応援したくもなるけれど
同じ高校生として比べると兄より壱成の懐が広くてやっぱり早梅には兄じゃなく壱成なんだって納得させられる。
- 2