5.0
凝縮された個々の人生
オムニバスで読み易いし気になるタイトル分だけ拾い読みが可能なので、そういう形からでも是非とも読んでみて頂きたい作品です。
私が小学生の頃にはもう読んでいたので、古い時代背景が若い方々には馴染めないかもしれません。
けれど古くてなんだかねぇ、という理由だけで読まないのはもったいない、凝縮された様々な人生がこの中に詰まっています。
何処かのカフェやファストフードなんかで寛ぎながら、窓外のスクランブル交差点をボーっと見るともなしに見ていると、本当に多種多様な人々が流れる様に行き交う。
見ているうちに気になる人がちらほら目に留まり始める。
容姿だったりファッションだったり表情だったり。
わぁ、めっちゃ好みのタイプ!
あのカップル楽しそうだなぁ。
そんな服どこで買うんやろ?
そんなふうにきっかけは些細だけれど、目に留まった見知らぬ人の背景を想像してみたりする。
そんな経験はありませんか?
この作品がタイトル通り、そんな想像の先のお話で、人間のリアルが描かれてます。
喜びも悲しみも厳しさも優しさも流れる交差点から拾い集め、心に満たしてくれる様ですよ。
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