4.0
個人的には、リアルだと思う。
知的障害者や精神障害者向けの支援施設で働いてた経験があります。
他の方のレビューを見てると「うちの子は発達障害だけどもっといい子ですから!こんなのと一緒にされたくない!発達障害に失礼!」みたいなのも多いけど、実際、健常者がみんな同じ性格でないのと同様に発達障害にも色んな性格の人がいるだろうし、そこは心配しなくて大丈夫だと思う。
ユウトの思考に関する描写は、発達障害を持つ人達が陥りやすい傾向をよく捉えていて、個人的にはリアルだと思った。もちろん、発達障害者全員がユウトと同じ性格になるという意味ではなく、あくまで傾向の話。
配偶者が虐待サバイバー&元DV被害者って設定も、「発達障害と無関係な問題を欲張って詰め込んだ」とは思わない。実際、発達障害者と深い関係になる人には美和みたいなタイプの人は多いんじゃないかな。「一刻も早く実家を忘れて、幸せな家庭を作りたい」という焦り、「自分なんかを愛してくれる人はこの人しかいないんじゃないか」という自己肯定感の低さ、そもそも自己肯定感の低さ故に活発な陽キャの輪にはいまいち馴染めず、自然とみんな輪から外れた者同士でつるむようになるから、そういう意味でも発達障害者と接点が生じやすい。迷惑をかけられても、これまでの人生で迷惑をかけられることに慣れ過ぎてるせいで受け入れてしまう。割とあるあるだと思う。
こう言っちゃなんだけど、幸せも不幸も、有る所にはとことん有るんだよね。
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