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  1. 評価:3.000 3.0

    モラハラホイホイの条件

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    「どうして、結婚前にモラハラ男だってわかってた部分があるのに、結婚したの?」

    そういうレビューがあるのは、当然な話である。

    しかしである。

    マンガ家という無駄に孤独な仕事(アシスタントでも来てくれたらマシだが、その描写は無い)。

    婚活の話を聞いてくれるのは妹ばかり(友達にも話しにくいものなのだろうか?)。

    ひとり暮らしの部屋にこだます、返事をもらえない「ただいま」の繰り返し(鉢植えでもいいから、なんか置いときゃいいのに)。

    今までのだめんずウォーカー遍歴からも明らかな、自己評価の低さ。自分への自信の無さ。そして相手に求める条件の低さと歪み。

    道行く幸せそうなカップルを見ては焦り、近所の子が出産挨拶にきたら、母の何気ない「いいねー」の言葉に過剰反応、ドクドク血を流す心理描写。

    こんな「悪い孤独」や「焦り」にさいなまれていたら。自分に自信が無ければ。「他人にどう言われるか?どう思われるか?私が悪者になるのは嫌だ!」そういう世間体ばかりが、自分という器を満たしていたら。

    モラハラ男が、そんなヤワい器に揺さぶりをかけるのは簡単だ。翻弄され、「あれ?あれ?変だな?」と思う瞬間があったとしても、波にかっさらわれて結婚まで行くのは、特に不思議ではない。

    まぁ、こんな風に長々得意げに語るのは何故かというと。私が、モラハラ男である父と、洗脳された母のもとに生まれたからだ。

    モラハラ男というのは面白いもので、「コイツはいくら揺さぶっても駄目だ」「いずれ自分の覇権も終わる」と悟ると、「お前には伝わらなかったが、いつもお前を想っていた…」などとロミオってきて、無駄な保身を図るのである。

    適度に自分にツッコミを入れているストーリーを見ると、作者は今現在はモラハラ男から離れ、じっくり過去を作品にしているのかもしれない。

    客観性を保持しながら、更に傷をえぐるクライマックスへと向かってほしいし、最後はモラハラ野郎の「お前のことを…」ってなロミオメールが届いたりして、それをゴミ箱に突っ込む、そんなカタルシスが欲しい。

    現時点ではちょっとモタついている感じは否めない。読者のイライラを、坂道を転がり落ちる加速度をもって昇華してほしい。

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