4.0
痛快お転婆お嬢様!
悪役令嬢系の先駆けとなったとも言われる、この作品。
とりわけ周囲が逸材ぞろいのなか剣も魔法も頭脳も実力がまるで足りなくて、
それでもめげずに明るく、それこそ周囲を振り回しながら暴走して突っ走る。
破滅を防ぎたいがゆえに空回り、頓珍漢なことばかりしでかすけれど、
周囲が抱える悩み・不安には絶妙なクリティカルヒットをして絆が深まる。
誰が不幸になる、誰がツケを払わされる…といったこととは無縁で、
カタリナを中心とした大団円ルート(と本人は思っているが実態はそれ以上に…)を
非常に楽しく読み進めることができます!
…念のための注意点がひとつ。参照元の乙女ゲームに準じ、カタリナのスペック自体は極端に低め。
カタリナの根幹は良くも悪くも「周囲とは一線を画す考え方で人々を魅了する」ことに尽きます。
魅了された仲間がその想いから最高のチカラを発揮して局面を打開する、
あるいは敵そのものをなし崩し的に味方にしてしまうというのが事件解決の王道になっています。
カタリナが窮鼠猫を噛むで必死になった結果敵を倒すとかのドラマは冗談抜きに皆無で、
話が進んで、カタリナ命の頼もしい味方が増えるほど「闘争を丸投げしてあっさり事件が片付いた」
ということが多くなります。あっさりとした戦闘描写等が合わない…という読者は出てくるかも。
- 8