5.0
人気に納得
はじめは「ああ前にドラマ化してたラブコメねー」くらいな感じで、無料分も長かったので何となく読み始めたら、まんまとハマって課金して読了しました。
出だしの頃は、唯の他力本願なところとか、アホ丸出しで品がない描かれ方が、ヒロインとしてはさすがに、ってあまり魅力的ではなく、とにかく若君の麗しさにどうにか助かってという気持ちで読んでました。(麗しさというのは、お顔の綺麗さだけでなくて、戦国時代の装束の着こなしとか立ち居振る舞いがいかにも城主のご嫡男という若々しい気品と覚悟に溢れていて見事。全体としてはサラッとコメディ調なシンプルなタッチで描かれているにもかかわらず、です。作者さん存じ上げなかったけど、ベテランさんですよね?描き分けも上手いしさすがと思わされる画力。)
回を追うごとに、唯もどんどん成長し、その真っ直ぐさが、自分が関わった人(これまたどれも甲乙つけ難い名脇役揃い、みんな大好き)を大切に思う気持ちとの相乗効果で、非常に魅力的なキャラになっていきます。若君もものすごく深いところで唯をまさに唯一無二の存在として心から愛してくれます。尊いってこういう事?もう2人まとめてぎゅっとしたい。
あえて言わせてもらえば、子を持つ親としては、実の家族との別れの葛藤をもうちょっと描いて欲しかった、あとは何より、ラストがいきなり雑、というのがかなりかなり残念。星ひとつ減らしたいくらい。大団円に向かって2、3回費やしてくれて良かったのに。
みんな幸せになったのは分かるけど、チラ見せでもいいから見たかったよ、と、これだけ壮大な話を読んできた読者は全員思ったはず。終わっちゃったもんは仕方ないから、スピンオフでもいいから見せてくれ!
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