5.0
完読ネタバレ多め(タイトルネタバレあり)
ヒロインのエステラは、帝国騎士団長の父親の元で剣術を学び天才的な剣士として成長します。しかし父親を亡くし女性では騎士団に入れない帝国で、架空の双子の弟エスティンの名前で男装して騎士団に入ります。
女である事がバレないように、剣術の腕は封印し、目立たない治安隊員として悠々自適に暮らしますが、偶然皇太子クレオールと出会います。結婚する事が帝位継承が条件のクレオールに能力を見込まれ、彼の8番目の婚約者となります。
男装から女装をする複雑な設定ですがドレスを着ていても格好良いヒロイン!男装ヒロインの中でもエステラは最初から最後まで中性的です。
幼い時から剣の訓練をしていたということで体型ががっしりしています。それが男性にも女性にも見える大切なポイントになっています。ヒロインらしい体型や可愛らしい性格を好む人には合わないかもしれませんが、ハマる人はかなりハマると思います。
最初の絵はイマイチですが、次第に綺麗になっていきます。絵、物語共に25話くらいから盛り上がります。個人的には33話までは読んで欲しい!
以下ネタバレ多めです。
タイトルは邦題で「砂時計の契約令嬢」となっていますが、韓国原作では「非正規職皇后」なので、砂時計は全く絡みません。
クレオールがエステラの性別をどちらと思っているのか読者もやきもきもしますが、その答えもきちんと出てきます。
エステラに恋する騎士団の友人はだいぶ痛くなる時もありますが、最終的には凄く良いキャラに成長します。クレオールもティソエンも、エステラへの愛はかなり深いです。その三角関係もエステラのはっきりした性格のおかげで綺麗に落ち着きます。様々な三角関係の物語を見てきましたが、この作品の三角関係の落ち着き方が1番好きです。
作中の魔女の話は複雑ですが、何度か読み込んでいくと理解出来て深かった!
女性で剣を持つ(男性の仕事に就く)事に対しても掘り下げられた作品だと思います(原作小説はその辺をとても詳しく書いていました)
愛されて守られるだけじゃない、自身の剣で帝国を守り、外伝では女性の新しい生き方を切り開いた読み応えのある作品でした。
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