みんなのレビューと感想「[小説]凶愛に啼く獣」（ネタバレ非表示）

ネタバレ レビューを表示する

評価が高い方ではなかったので、どうかな❓と思いながら読みました。
割と面白かったです。
ヒロインは、義父から操り人形のように育てられた孤独な少女でした。
義父の言いなりに財産目当てで老人に嫁ぎました。ヒロインの育った環境から、自分から心を開く事はなかったから気付けなかったけど、屋敷では周囲の人からは暖かい目で見守られていて、本当は孤独ではなかったし、育てられた家よりよっぽど幸せに暮らせてました。

ヒーローは、ヒロインに対する尋問の酷さや、終盤、実父にサーベルを躊躇なくつきたてるなど残酷な面を持ってるけど、それこそが憎むべき父との親子だなという所以に思える。それに、そのくらい冷徹でないと王の直属の軍の隊長にはなれないでしょう。ただ徹底的に違うのは、父親は自分しか愛せないけど、息子(ヒーロー)は他人を愛する事が出来る事(可愛さあまって憎さ100倍って事なんでしょうね)

褒められたものじゃないけど、このヒーローは激情型で、外見も性格も申し分ないヒーローよりも、ある意味人間味がある気がする。

シリアスな場面が多く、ヒロインが可哀想になってしまいましたが、最後はハッピーエンドで良かったです。絵も素敵です。