5.0
世界観に溺れさせて頂きました。最、高!
ゾクゾクする美しい悪魔。それだけで好奇心を煽られましたが、ストーリーは至極の美しさでした。
主人公が両親を失い、親戚中たらい回しになり生きる希望を持てなくなった時にその悪魔は現れました。そして悪魔と契約を結びます。
ですが、悪魔は主人公が受胎の瞬間からずっと彼女を狙っていました。
狙っていたのですが、実は彼女に降りかかる様々な命の危機を救い見守り育ててきたのです。
終盤にその様子が描写されているのですが、その愛の深さにほんと満たされて読みながら涙が出ました。
そもそも悪魔は天使でした。
そのくだりもいい設定でした。
生まれたての命を育てて守るという無償の愛は、母であり、天使のようであり、悪魔とは程遠い感じがしましたが、悪魔はこの命を護りたいと懸命で、そこがとても素敵でした。
魂を奪う悪魔ではあるけれど、命をかけて彼女を愛し抜く姿に、これ以上深い愛の話ってあったかしら?と思うくらい、心揺さぶられました。
安易な溺愛話ではなく、もう美しいというレベル。
私の中に深く残る作品だと思います。
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